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釣りの帰りに起きた、ほんの少し不思議なこと(TORQUEという携帯)釣りの帰り道、川沿いの風はまだ冷たかった。濡れた長靴のまま歩くと、アスファルトに小さな水跡が点々と続く。手には、使い慣れた 黄色いTORQUE。今日の釣果を撮った写真が、まだ画面の奥で光っている。最寄りの無人駅に着くと、古い木製のベンチに、ひとりの女性が座っていた。薄暗いホームの中で、彼女の手元だけがやわらかく光っている。TORQUEの画面を見て、微笑んでいた。その笑みは、誰かに向けたものというより、“思い出した何か”にそっと触れたような、そんな静かな温度を帯びていた。(こんな時間に、同じTORQUEを使ってる人がいるんだな。)そう思った瞬間、彼女がふと顔を上げ、こちらを見た。彼女はスマホから目を離し、まるで風の流れを読むみたいなゆっくりした動作で顔を上げた。「……そのスマホ、同じ色ですね」声は小さく、けれど迷いのない調子だった。ホームに響く蛍光灯の低い唸りの中で、その言葉だけがやけに澄んで聞こえた。手に持った黄色いTORQUEを見下ろす。釣り場で濡れた手で触っても平気な、頑丈さだけが取り柄の相棒。「珍しいですよね、これ使ってる人」そう返すと、彼女は少しだけ笑った。さっき画面を見ていたときの微笑みとは違う、誰かと共有するための、ほんのり温度のある笑み。「ええ。……でも、なんだか落ち着くんです。 昔の友だちが使ってた色で」その言葉に、胸の奥がまたひとつ跳ねた。理由はわからない。ただ、彼女の声の奥にある“懐かしさ”が、自分のどこかにも触れた気がした。電車はまだ来ない。ホームには二人だけ。川の匂いが、風に混じって流れてくる。「釣りの帰りですか?」これ以降* 内容に禁止用語が含まれているので、投稿できません。
釣りの帰りに起きた、ほんの少し不思議なこと(TORQUEという携帯)釣りの帰り道、川沿いの風はまだ冷たかった。濡れた長靴のまま歩くと、アスファルトに小さな水跡が点々と続く。手には、使い慣れた 黄色いTORQUE。今日の釣果を撮った写真が、まだ画面の奥で光っている。最寄りの無人駅に着くと、古い木製のベンチに、ひとりの女性が座っていた。薄暗いホームの中で、彼女の手元だけがやわらかく光っている。TORQUEの画面を見て、微笑んでいた。その笑みは、誰かに向けたものというより、“思い出した何か”にそっと触れたような、そんな静かな温度を帯びていた。(こんな時間に、同じTORQUEを使ってる人がいるんだな。)そう思った瞬間、彼女がふと顔を上げ、こちらを見た。彼女はスマホから目を離し、まるで風の流れを読むみたいなゆっくりした動作で顔を上げた。「……そのスマホ、同じ色ですね」声は小さく、けれど迷いのない調子だった。ホームに響く蛍光灯の低い唸りの中で、その言葉だけがやけに澄んで聞こえた。手に持った黄色いTORQUEを見下ろす。釣り場で濡れた手で触っても平気な、頑丈さだけが取り柄の相棒。「珍しいですよね、これ使ってる人」そう返すと、彼女は少しだけ笑った。さっき画面を見ていたときの微笑みとは違う、誰かと共有するための、ほんのり温度のある笑み。「ええ。……でも、なんだか落ち着くんです。 昔の友だちが使ってた色で」その言葉に、胸の奥がまたひとつ跳ねた。理由はわからない。ただ、彼女の声の奥にある“懐かしさ”が、自分のどこかにも触れた気がした。電車はまだ来ない。ホームには二人だけ。川の匂いが、風に混じって流れてくる。「釣りの帰りですか?」これ以降* 内容に禁止用語が含まれているので、投稿できません。
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mw_me
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15時間前
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My TORQUE, My Life