TORQUEトーク

2026/04/21 22:02

【 TORQUE文学:頭文字Torque ① 】

【 TORQUE文学:湾岸トルクナイト ⑬ 最終話 】 より番外編。
https://torque.kyocera.co.jp/chats/zi0jemc6c36p62tc

僕の家は『フラワーにしもん』っていう花屋をやっている。
だけど、お父さんが近所でも無類の車好きで、とても設備の充実したガレージを持っているから、修理屋さんに間違われることも多い。
花屋のお店が休日になると、お父さんはいつもガレージで車を触っている。
ガレージには、お父さんの車仲間の人たちもよく現れる。
そんな姿を僕は小さな頃からずっと見ていたせいか、僕もスポーツタイプの車が好きだ。
こんな話しをすると〈今の若い人にしては珍しいね…〉などと言われる。
だから、普段はあまり人には言わないようにしている。
僕にしてみれば、男の子は大人になったらスポーツカーに乗るのが普通だと思っていた。
お父さんと車仲間の大人たちが、いつも自然と側に居たからだ。
僕は必要な時だけ家の車やお店の車を運転していたが、去年とうとう僕の名義で購入した車が納車された。
『トヨタ86 』
僕の最初の愛車だ。
だいぶ予算をオーバーしてしまったから、今もローンの支払いが正直大変だ。
だけど、ずっと前に漫画で読んでから憧れていた車だから、思い切って購入したことに後悔は全然してない。
僕が愛車86を買うキッカケになった漫画は『MFゴースト』っていう、未来の公道を舞台したカーレースの作品だ。
お父さんやその車仲間のオジサンたちは、同じ作者が昔に書いた『イニシャルD(イニシャルディー)』のほうが面白かった言っている人が多い。
僕が生まれる前から始まっていた漫画だっが、『MFゴースト』と繋がりがあるので、一応僕も頑張って『頭文字D』は全巻読破した。
ちなみに僕のお父さんは『頭文字D』よりも、楠みちはるって漫画家が書いた『湾岸ミッドナイト』という作品のほうが好きだ。
いや、「好き」という言葉では全然足りない。
自分では「湾岸ミッドナイトは自分のバイブルだっ!」なんて言ってるくらいだから。
もぅ『湾岸ミッドナイト教の信者』と呼んでもイイくらいだ。
お母さんはそんなお父さんのことを、いつも呆れた顔でこう言っている。
「お父さんは病気なの。お父さんの車仲間も皆んな病気なの。もぅ治らないから、好きなようにしてもらうの。」
でも、ガレージで車のことを仲間たちと話しているお父さんたちは、とっても楽しそうだ。
あんなに楽しそうなら、僕も病気に罹ってもイイなぁと前から思っていた。
小学生の時に、お母さんにそぅ言ってみたら、
「人に迷惑さえ掛けなければ何をしたっていい。」
そんな風に言ってくれた。
だから僕も、大人になったらお父さんや仲間の人たちみたいに、カッコ良いスポーツカーに乗るって決めていたんだ。
それが、やっと現実になったんだから、これからもお金のことは自分でなんとかするつもりでいる。
最近になって、僕もやっと愛車の86に慣れてきた。
今はスポーツタイプの車が少ないけれど、情報自体は凄くたくさんある。
お父さん達の若い頃はインターネットが無いから、極限られたTVの車番組とカー雑誌くらいしか無かったらしい。
だから、その分『現場』に自らの脚で出向き、生の情報を集めたらしい。
ガレージには、お父さんの愛車の黄色いスカイラインもある。
車仲間のオジサンたちの話しでは、お父さんは半年くらい前に、このスカイラインでバトル(=競争)をしたらしい。
僕の86が納車される少し前の話しだ。
場所は深夜の大阪環状線。
バトルの相手は、凄く速い白いポルシェに乗る美人のお姉さんだと、僕は聞いている。
たしかに僕の記憶でも、その頃 1ヶ月くらいの間、お父さんは仕事が終るとすぐにガレージに行き、自分のスカイラインに手を入れていたようだ。
そのことについては、今もお父さんから僕には何も話してもらえない。
車仲間のオジサンたちも、バトルの詳しい内容は知らないようだ。
お父さんが使っている、『京セラ製・TORQUE』というスマートファンには、『TORQUE SMILE』というファンサイトがあるらしい。
白いポルシェに乗るお姉さんとバトルをするまでの様子は、そのサイトの中で『湾岸トルクナイト』というタイトルがついて、毎日のように投稿されていたらしい。
『…らしい…』というのは、僕はトルクナイトを一度も見たことが無いからだ。
白いポルシェに乗るお姉さんが、トルクナイトの中で『お嬢』と呼ばれていたのも、ガレージを訪れる車仲間のオジサンから聞いた話しだ。
お父さんは最初、ポルシェのお嬢に湾岸線でブッちぎりに離された。
そのリベンジのため、パワーのあるエンジンに載せ替えて、スカイラインの戦闘力を飛躍的に上げた。
いよいよ、白いポルシェのお嬢との勝負の時が来た。
だがそこで『湾岸トルクナイト』は、記事として終了してしまったらしいのだ。
だから、お父さんのスカイラインと、お嬢のポルシェとのバトルがあったという事実は、このガレージに訪れる者しか知らないということだ。
そして、そのバトルの勝敗などの内容については、誰一人知らないようだ。
なんでも、お父さんが誰にも話さないからだという。
「ちぇっ、一番美味しいところが未公開なんてよっ、あぁ知りたいっ!」
と悔しがるオジサンも居たけど、
「まぁ、相手が居ることなので…個人情報ということで勘弁願います。」
という理由で、お父さんはお嬢とのバトルのことは、全てノーコメントを貫いているようだ。
僕もバトルの結果に興味が無いワケではない無い。
相手が美人のお姉さんというところも、チョッとだけ気になる。
たけど、トルクナイトの連載がそれを公表していないのなら、それには何かチャンとした意味があると思っている。
だから、お父さんが自分から話してくれないのなら、僕も自分からは聞かないことにしたんだ。
まぁ、今は自分の愛車86を走らせることに夢中な僕だ。
だから、お父さんとお嬢のバトルの話しは、いつか聞ければいいと思っている。

【 TORQUE文学:頭文字Torque ② 】へ続く。
https://torque.kyocera.co.jp/chats/wsvs33qwgnqylc5j

1件のコメント (新着順)
にしもん@50s pro バッジ画像
2026/04/22 10:57

頭文字TORQUEも面白そうです😀✨👍 理想の姿は文太ですね😀✨💪

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