【 TORQUE文学:イエローインパクト⑩ 】
【 TORQUE文学:イエローインパクト⑨ 】より続き。
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彼女『秋川 零奈=レイナ』が京セラのSNSサイト『TORQUE SMILE』に初投稿した翌日の昼休み。
俺は昨日と同じように、昼食を終えた食堂で珈琲を飲みながらスマホを眺めていた。
もぅすぐ俺の前に現れるであろう、社内で一番の美人女子を待ちながら。
午前中10時の休憩でサイトを確認したところ、レイナの投稿には40件近い「いいね」が付いていた。
その中のひとつは俺、ニックネーム「ジュンテンダー」のものだ。
コメントはまだ1件も付いてなかった。
今も俺は自分のイエローの『TORQUE 5G』でサイトを見ているが、レイナの投稿の「いいね」は50件を超えているのだが、コメントはゼロ。
「北見さん、前の席 失礼しますね。」
秋川さんがやってきて、テーブルをはさんで俺の正面に座った。
この食堂で彼女と一緒に過すのは今日で3日目になるが、やはり目の前で見る彼女は抜群に綺麗だ。
今日は彼女も紙コップに入った飲み物を持参している。色味からしたら紅茶のようだ。
ただ飲み物を持って現れたいうだけなのに、たったそれだけの事がとても嬉しい。
二人の関係が急に親密になったように感じるのは、気のせいだろうか?
「昨夜はありがとうございます。私の投稿に『いいね』して下さって。」
彼女は軽く頭を下げた。
「いや。いいよ、お礼なんて言われるほどのことじゃないし。」
こんな美人に丁寧にお礼を言われては、俺は平常心を失くしてしまいそうになる。
「今『TORQUE SMILE』を見てたんだけど、たくさん付いてるね『いいね』。」
俺は自分のスマホをテーブルに置き画面を指さした。
レイナの投稿に付いた「いいね」は55件になっていた。
「はい。はじめて投稿したのに、スゴく嬉しいです。」
彼女はそう言って嬉しそうに笑う。笑った顔もとてもイイっ!
「でも、コメントはまだ1件も来ないんです…どうしてでしょうかね?」
たしかに今もまだ、コメントはゼロ件のままだ。
俺自身は「釣行記録」代わりの投稿なので、「いいね」も「コメント」も期待したことは無い。
たまに長々としたコメントをくれる会員が居るが、無視して放置するワケにも行かないので、返信を書くのが煩わしく思うこともある。
「俺はあんまり意識したことが無いから、その辺については分からないなぁ。そのうちコメントも来ると思うよ。たぶん…」
我ながら頼りない先輩だなと思うが、分からないものは分からないのだから仕方ない。
「あっ、そうですよね。初投稿なのに、こんなにたくさん『いいね』を貰っちゃって、チョッと欲張りになっちゃいましたね。」
そう言った彼女の頭に「テヘッ」という吹き出しを付けたいと思ってしまった。
「では、昨日のお話しの続きなんですが…。」
彼女は自分の初投稿の話題をササッと終了させた。
この娘は頭の切り替えも早いようだ。
(…えぇっとぉ…昨日の話しの続きって、何だったかな…?)
俺のほうはと言えば、そんなに早く頭が切り替わらない。
と言うか、既にまるで記憶が無い。
「イロイロと怪しそうな人も居るって。『TORQUE SMILE』には…」
俺から尋ねる前に彼女のほうから言ってくれた。ありがたい。助かった。
そうそう。俺の友人の会員『アンダー商会』の話題になったから、咄嗟に他の会員に話題を振ったのだった。
彼は今『TORQUE SMILE』ではなく、とても秋川さんには話せないようなサイトの投稿活動に、精力を注いでいるんだから。
「あぁ、そうだったね。うーん、まぁあくまでも面白半分の話しだからね。本気で信じないでよ。」
「はい。参考までに聞かせて下さい。」
俺は自分が会員登録した約2年ほど前の事を思い出す。
登録した頃はサイトの事を知るために、今よりは頻繁に『TORQUE SMILE』に訪れていたのだ。
「 あのさぁ『仮面ライダー』って知ってるよね。改造されたヒーローが悪の組織をやっつける子供向けの昔のTV番組。」
「はい、知ってます。確か今でも続いてると思いますが。土曜か日曜の午前中に放映されてたような気がします。」
俺は休日の午前中は天気が良ければ釣りに行ってるし、そうじゃないなら遅くまで寝てるから、現在がどうかは知らない。
「正義のヒーローじゃなくて、悪者の『悪の秘密結社・ショッカー』のほうが好きな会員が居るんだよ。」
「えっ! 悪者のほうですか…? まぁ、そういう人も居るかもしれませんね。そっちがカッコ良ければ。」
「どうやらその人、家の裏の掘っ立て小屋で、密かに『爆弾』を作ってるらしいんだよ。」
「えぇっ! 爆弾ですかっ!それは危ないですよね。」
秋山さんは、少し笑い顔になりながらそう言った。
「 内緒だけど俺はショッカーの戦闘員で火薬兵器の開発が担当なんだって、投稿で書いてたからね。いつか爆弾が完成したら『世界征服』するらしい。」
「どなたでしょうか、私が知ってる会員さんかな?」
彼女は1年くらい前からサイトを観てるようだから、その会員のことは知ってるはずだ。
「うん。たぶん知ってると思うよ。ニックネーム『テロ三郎』って言うんだけど。」
「あっ、知ってますよっ!『テロ三郎』さん。お花とか猫ちゃんの写真をよく投稿されてますよね。えぇーっと、なんて名前だったかな?あの猫ちゃん…」
彼女はチョッと考えてから、
「あっ『フグ』ちゃんだ。そうだ『フグ』ちゃん。だいぶ大きくなりましたよね。あの猫ちゃん。」
やはりサイトをよく観てるんだな。俺はテロ三郎氏の猫のことは知らないが、彼女は名前まで知っていた。
「 テロ三郎さんって『TORQUE応援団長 』みたいな感じですよね。投稿した記事やコメントを読んでると、スマホ界隈でのTORQUEの市民権をもっと上げたいって気持ちを感じます。」
彼女が感じていることには、寸分の間違いも無いと思う。
テロ三郎氏は、生粋の「TORQUEマニア」なのだ。
彼の「TORQUE愛」には、他のTORQUE SMILE会員は誰も敵わないと思う。それほどまでに『TORQUE』とういスマホを愛しているのだ。
だから、「ショッカー団員」とか「爆弾の開発」とか書いたって、それに文句を言う会員は誰もいない。
あくまでも、彼の脳内で日夜繰り広げられている「VIRTUAL TORQUE WORLD(バーチャル・トルク。ワールド)」から溢れ出した言葉にすぎないのだから。
「まぁ、そんなトンデモナイ話しもたまにあるからね。人の投稿なんてすぐに忘れちゃう俺でも、そういうのは覚えてるんだ。面白いから。」
こんな他愛もない話しでも彼女は満足したようで、ニッコリと笑い顔で俺を見ている。
【 TORQUE文学:イエローインパクト⑪ 】に続く。
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早く次回を読みたい‼️
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