TORQUEトーク

2026/05/19 13:28

<高高度気球NX-ZERO続報!#2>

2026初投稿です、高高度気球NX-ZEROのプロマネのぴいぴいさんです!
今はNX-ZEROのシステム、性能などの全てをまとめた「取り扱い説明書」を概ね完成させて、「2025年度の進捗報告」を公開しました。後者はなんと約20ページで130MBという大作になってます(!?)
また、打ち上げに関する交渉や詳細を詰めているところです。



さて!(毎回唐突な始まり)
3月にG07が発表されましたね!!
曲線のような見た目がまた戻ってきてより一層近未来感を感じます!そこで今回は「なぜTORQUEを選ばせていただいたか」に焦点を合わせてお話してみたいと思います



まず地球の高高度では主に「大気圧の減少」、「極低温」、「爆風」、「オゾン濃度の上昇」、「放射線量等の宇宙線の増加」等が発生します。



「大気圧の減少」と「爆風」について
実は大気圧は地表の1%ほどまで減少するので、「爆風(50m/s級)」は意外と影響がなかったりします!
ですが、「大気圧の減少」そもそもがかなり厄介です汗
10cm四方の人体について、地表では体内から1t膨らもうとし、大気圧で1t押しつけられています(人間は意外と力持ちですね!)。
その外側からの1tを1%の10kgまで落とすと、、力のバランスが崩れます。
1000kg-10kg=990kgの力で膨らもうとします!!Σ(・・)
となると、高高度で耐える機器にはそれなりの耐久性が必要なことがお分かりになるかと思います。
そのことから、機体には小さな空気穴が開いています(当然のことながら数tの力に耐えるほどご立派な装備ではないので!)
※なおTORQUEでもこんな環境を想定していないため、打ち上げ自体が実験になりますw



「極低温」について
上空では-60〜-50℃で気温が左右しています、これがかなり厄介と思われそうですが、機体は発泡スチロールで製作されています。これにより内外の温度差を30℃ほどになるため、-30〜-20℃を見込んでいます。-20℃はTORQUEがギリギリ生きれる範囲です!なお、外部のメインアンテナは露出しているので、上空では余剰電力を使って保温します。そこは1人で頑張っていただきます( ̄。 ̄)
また、気圧が地表の1%であるため、空気からの熱伝導も1%と言えます。そのため意外と冷えすぎずの環境が続きます。
こうなると太陽さんの存在が心配になってきます。というのも空気に熱を逃すことができなくなるためです!!
というわけで機体は人工衛星のような銀色のシートで覆われています(熱の電動の一つ、反射ですね)
上空では熱しやすく冷めにくい環境も想定の一つに入れています(試算だと意外と4.2倍程度しか冷えにくかったり?)



「オゾン濃度の上昇」について
今回はオゾン層の最も濃度が濃い部分より少し上に飛び出します。
実はオゾンには紫外線分解の際に周囲の熱を奪う効果があります!!
そのせいで上空30kmあたりが最も冷えています( ˙-˙ )
また、オゾンは人体に有害で、精密機器を放置すると機器不良を起こします^^;
ですが今回は数十分お邪魔する程度なので意外と問題ありません、ついでで機体表面の殺菌をしてもらいましょう。



「放射線量等の宇宙線の増加」
でました、コイツが1番厄介です。
機械にあたれば故障リスクやデータの破損が起こり、人体にあたれば癌の発症リスクが格段と上がる…など。
で す が 、 結論から申し上げますと意外と影響ないんです!
具体的な予想値ですと、3時間程度のフライトで10μSv程度を予想しています(日本の地表では5〜6μSv/日)。
それでも、今回はペイロードの一部がスイカをはじめとする種ということもあり、一応今後の発育に注視をして影響があったのかなかったのかを計測してみたいと思っています。



以上が高高度気球にかかる自然の猛威です。
そう考えると地球はいかに人間に最適化されているのかよく分かりますね、自分自身も計算したり書いている間にそう思えてきます(^^)
最初は「なぜTORQUEを選ばせていただいたか」について書きたかったつもりが段々と脱線してしまいました、申し訳ないです。
それではまた#3等でお会いできればと思います(ちゃんと書くやつですからご安心を!!!)
最後までご一読ありがとうございました!!m(_ _)m




☆高高度気球NX-ZEROについて

▽TORQUE STYLE事務局さまからのニュース#1
https://torque.kyocera.co.jp/announcements/i1utjbjx152vnpp4

▽TORQUE STYLE事務局さまからのニュース#2
https://torque.kyocera.co.jp/announcements/uj4e8dzanmnzdctu

3件のコメント (新着順)
gaṇeśa śama
2026/05/19 20:49

バンアレン帯でTORQUEを試して頂きたいです。


ぴいぴいさん バッジ画像
2026/05/19 21:04

ちょっと遠すぎます!
ある程度高高度に行く人工衛星に載っけないといけなくなりますね\(◎o◎)/

gaṇeśa śama
2026/05/19 21:10

そのうち有人で月にどこかの国が行くでしょうから、TORQUE〇〇を持っていってもらいましょう。
インドか?日本か?中国か?

VEX
2026/05/19 16:32

こういうの大好きです
但し、数値的な理解や計算などは苦手なので漠然とした理解しかありませんが(苦笑)

宇宙空間が過酷な場所だというのは理解できます
地球を覆う大気や地磁気のバリアが奇跡のようなバランスで地球上の生物が生存できていることも理解しています。

で…
その高高度の気球による実験ですが、本当に考慮すべき要素が多くて大変そうですよね…

まあ、気圧の変化も深海のような液体ほどではないにせよ、
かの、でんじろう先生が説明するように、たった数メートルの風船の大気でも折り畳み椅子を吹き飛ばす質量があるわけなのですし、
数百メートルの高度差でも人間の鼓膜がつまったりするわけですから、
数十kmの高度差の気圧変化なんて想像するだけでもゾッとします(笑)

太陽光線も、大気や地磁気のバリアが無ければ…
言うなれば、生の核融合の放射線みたいなものですよね

オゾンに関しても、オゾン層って「純オゾン」にしたとしたら、たった数mmの層にしかならないそうですね
オゾン層って「オゾン濃度が濃い層」が数十kmあるそうですが
オゾンって、塩素ガスの六倍近い酸化力があるので少し濃くなるだけで目や喉に刺激感じますもんね
自宅や車で、高濃度オゾン発生器を使って殺菌や消臭をよくやるのですが、あれ…人間が吸ったらヤバいやつですよね(笑)
金属も錆びやすくなりますし…

でも、あのオゾン層があるおかげで地表の生物は太陽光線が緩和して生存できるわけで…

それらの層を抜けて高高度での実験
実に興味深いですよ

頑張って下さい!!


ぴいぴいさん バッジ画像
2026/05/19 17:23

時間をかけていただきありがとうございます!!
誰かに刺さればいいなと思って書いたので、刺さったようでよかったです!



オゾンの話は初めて聞きました、化学が得意ではないのでありがたいですm(_ _)m
オゾンはO(酸素)x3で、酸素はOx2ですよね。
オゾンが強力な毒だとすると、酸素は…Σ(°▽°)
酸素も「酸の素」ですから、生まれながらにして生物は毒で人体を蝕みながら生きているのだと言える気がします(実際に酸素ボンベは100%酸素ではないですしね!)



興味本位で昔スーパーに設置してあったドライアイスの箱に顔を突っ込んで思いっきり二酸化炭素を吸ったことがあります。
鼻に激しくズキーンとした痛みを通り越した警告のような刺激を受けましたw
(こんなことする人がいるからこそ今は撤去されたのかなと思いますが^^;)



こんな感じで世の中には面白い物質がたくさんあるので勉強になりますφ(・
あとはみなさんと打ち上げ前も打ち上げ後も科学的な視点だけでなく、からくりや感動を共有できればと思っています!

VEX
2026/05/19 17:45

老化の原因の一つは酸化だそうですから(苦笑)
オゾンは毒というよりも、酸化の力が強力ってことですかねえ

スタンガンってありますよね?
あれでバチバチってやっただけでオゾンが発生しますが、それだけでも室内の匂いが消えたりします。

聞きかじりですが、宇宙飛行士は「酸素酔い」しないことが条件の一つなのだそうです。
宇宙服の中は100%の酸素で満たすそうで、酸素酔いする体質だと宇宙飛行士にはなれないのだとか…

因みに、夏場などは車のエアコンがカビ臭くなったりしますが
高濃度オゾンで数分間クリーニングすると、車のエバポレーターやダクトのカビ臭さ、さらに車内の汗臭さなどが劇的に消えます。



ドライアイスの煙の中に顔をツッコむの…私も子供の頃にやりました(笑)
風呂に少しだけ水を張ってドライアイスを入れて
煙が充満したら顔をツッコんで深呼吸したら…
顔が充血したような感覚になって危険を感じました(笑)
二酸化炭素中毒が、一酸化炭素中毒よりも危険だと知ったのは、その数年後でした(苦笑)
まあ、二酸化炭素中毒は一酸化炭素に比べて簡単には中毒になりませんけれど…



大変興味深い活動と実験をなさっているので、
私的には刺さりましたねえ~(笑)
二次的にTORQUEのタフさも実証できれば最高ですね

ぴいぴいさん バッジ画像
2026/05/19 21:02

分かりやすい実例を出していただけてありがたいです!

同じ香りがして同族意識を感じています(⁠≧⁠▽⁠≦⁠)

ぜひ今後ともよろしくお願いします!!

たろ三郎@G07 バッジ画像
2026/05/19 13:35

楽しみにしてます


ぴいぴいさん バッジ画像
2026/05/19 13:43

ありがとうございます!

TORQUE G06
2023年10月発売。TORQUE初の3眼カメラ搭載。29項目の耐久試験にクリアしつつ、小型・軽量化を実現。