TORQUEトーク

2026/04/24 08:54

【 TORQUE文学:頭文字Torque ④ 】

【 TORQUE文学:頭文字Torque ③ 】より続き。
https://torque.kyocera.co.jp/chats/7ighxigl8wvvttti

僕は『フラワーにしもん』という、車好きのお父さんが経営している花屋の息子だ。
愛車は『トヨタ86』。乗りはじめてから半年が過ぎた。
最近は運転にもだいぶ慣れてきたし、車好きのお父さんとその仲間の人たちと、楽しく毎日を過ごしている。
僕の86には、排気量2000ccの水平対向4気筒NAエンジンが搭載されている。
実は最近、この水平エンジンの『音』について、僕は少し気になっていることがあった。
ことの発端は、ガレージに集まるオジサンたちの、水平エンジンの出す独特の排気音への哀愁からだ。
(水平対抗エンジンの車は、不等長エキマニを付けて、ドロドロ言わせながら走ったほうが、らしくてカッコイイのだろうか?)
僕のお父さんは、この件に関しては誰にも何も意見を言わなかった。
誰にもというのは、実の息子のこの僕にさえもだ。
先日、ガレージに集まるオジサンの知り合いの『スバル・インプレッサ』のオーナーさんが隣の県からやって来て、僕に噂の『ドロドロ音』を聴かせてくれた時もだ。
〈お父さんには興味が無い話題なのだろう。〉
こう考えるのが普通だろう。
ちなみに、車仲間のオジサンたちは、そんなお父さんの態度は気にもならないようだ。
でも僕は、お父さんが黙っているのは〈関心が無い〉からではないと思っている。
(たぶん、逆だろう…)
お父さんは、自分のことを「口で説明するのは苦手だ…」と、ことあるごとに僕には言う。
だがそれは、決して お父さんの言語化能力が、他の人よりも劣っているのでは無い。
その物事に対し、あまりにも多くの知識や経験があり過ぎるために、もはや簡潔に語るということが不可能なレベルに、お父さんは達してしまっているのだ。
だから、僕はまず自分で考え続けていたのだ。
この「水平エンジンドロドロ排気音問題」あるいは「不等長エキマニ換装問題」と名付けた事象について…。
自分で出来る限り調べないとダメだという気持ちは、実は最初からあった。
もちろんこの問題が、僕の愛車についてのことだからだ。
そして、最終的にお父さんに意見を聞いてみた時に、それをチャンと理解する為にもだ。
ガレージに訪れる車好きのオジサンたちにも、今僕が抱えている疑問について、出来る限り心情的に『中立=ニュートラル』な姿勢を崩さないようにインタビューした。
どうしてもただの『雑談』とは違い、それが自分の愛車のこととなると、偏った解釈をしてしまいそうな予感があった。
僕がオジサンたちに質問したのは、
「水平対抗エンジンのドロドロ音はどう思いますか?」
「その音の発生原因である『不等長エキマニ』というパーツについてはどう思いますか?」
概ねこの2点についてだ。
ほとんどのオジサンは、ドロドロ音は持ち味だから、やっぱり水平エンジンはその音がしたほうがイイという意見だった。
『不等長エキマニ』については、それが何のことだか知らないオジサンも居たが、その場で知っている他のオジサンが居て、僕の代わりに説明してくれたので助かった。
自分の子供ような年齢の僕から、車のパーツのことを説明されるのは気分の良いものでは無いだろう。
それに、僕だってインターネットで調べただけで、実物は見たことも無いのだから。
不等長エキマニについては、それを知っている人からしか意見は聞けなかった。
「昔の水平エンジンには普通に付いてたから、スバルはあのまま続けてれば良かったにな。今の86だって等長なんかにしなくてもいいんだよ。」
というのが、オジサンたちの大半の意見だった。
ガレージのおじさんたちに、インタビューして意見を徴収するのと同時に、僕は自分一人でできる情報収集も怠らなかった。
インターネットで関連サイトに訪れたり、ガレージの本棚に残る大量の改造系カー雑誌や自動車書籍に目を通した。
それまでにも、『トヨタ86』や兄弟車の『スバルBRZ』については、購入する準備としてインターネットの情報には、ずいぶん目を通した。
だが、水平対抗エンジンについての『ボクサーサウンド』と、その発生源である『不等長エキゾーストマニーホールド』に焦点を絞って情報を検索するなんてのは始めてだった。
(そう言えば、インターネットでは中古車情報と走行インプレッションの閲覧ばかりだったな…)
インターネットには、スバルの水平対抗エンジンやその搭載車種について、かなり古い記事から最近更新されたものまで、大量の情報が存在していた。
実は今まで『水平対向エンジン』については、僕はあまり気にしてなかった。
普通の直列エンジンよりも、ヘッドやシリンダーが平らにレイアウトされるので、車の重心が下るというのは知っていた。
だが、その他にもイロイロとメリットがあることが分かる。
2つのヘッドがクランクを中心に180度向かい合わせに位置する為に、慣性力が互いに打ち消し合うことで、振動を軽減される『バランサー』という機構が必要無いらしい。
余分は機構がなるべく少ないほうが、その分の損失が少なくなるのは、素人の僕でも理解できる。
また、エンジン内のピストンなどのパーツの重量合わせによる効果が、他のエンジンよりも高く出るというデータも存在していた。
これも当然だろう。何しろ1つのピストンやコンロッド自体がバランサーの役目をしているのだから、それが揃っているほどその効果も高くなる。
しかし、水平対向エンジンにはデメリットも多く存在していて、生産性や整備性の悪さが主に上げられていた。
(どんなものにもメリットとデメリットは存在するものなんだな。)
『ボクサーサウンド』や『不等長エキマニ』のことについて調べて行くうちに、知らなかったことにたくさん出会えた。
これは僕にとっては、かなり有意義な時間になったと思う。
それだけでも今回の件は、もぅ充分な勉強をさせてもらった。
肝心のドロドロとした音の『ボクサーサウンド』や、その原因の『不等長エキマニ』についても、脱線を繰り返しながらも情報は一通り集めることができた。
しかしと言うか…やはりと言うか…残念ながらと言うか…。
『ボクサーサウンド』『不等長エキマニ』について調べた結果は、僕にとっては〈ネガティブ〉な感じを受ける記事しか、インターネット上には存在しなかった。
インターネットの記事だけではなく、ガレージにある大量の雑誌や書籍の中にも、僕が〈ポジティブ〉だと感じる情報に出会うことは無かった。
僕が集めた情報だけで現状を判断すると、
【 『ボクサーサウンド』とは、水平対抗エンジンのレイアウト的なものにより、各エキゾーストマニーホールドを等長に設計するのが困難であっため、結果的に発生してしまったものである。音の発生源である『不等長エキマニ』は効率の低い機構であるため、現在はメーカーの努力によって廃止されたため、水平対向エンジン搭載車にも『等長エキマニ』が装着されている。 】
ということになった。
さて…。
ここまではあくまでも、世間で表に出ている『一般論』にすぎない。
インターネットや活字になったものだけが全てでは無いはずだ。
( やっと、お父さんの意見を聞く準備ができた。)
今まで『ボクサーサウンド』と『不等長エキマニ』については、僕のお父さんは何1つ自分の意見を口に出してはいない。
最後の最後に、僕のお父さんの意見を聞く。
たとえそれが、僕が自分で調べて結論付けたものと同じだったとしても何も構わない。
車のことに関してお父さんの口から出る言葉は、僕にとっては何よりも信頼できるからだ。

【 TORQUE文学:頭文字Torque ⑤ 】へ続く。

2件のコメント (新着順)
やまのきのこ
2026/04/24 20:32

 水平対向に乗ってますがドロドロ音は懐かしいですねぇ。個性が無くなったと思いましたが、いまだに水平対向に溺れてます。取り上げて下さってありがとう~!

にしもん@50s pro バッジ画像
2026/04/24 09:08

不等長マニはターボが片側にしか無かったので必然的にそうなった😀💡⁉️と、思ってます。

わざと廃棄干渉作ってトルクを出すとか言われてますが本当にそうなのか?コストとのバランスで偶発的に生まれたのでは?

と、勘ぐってしまいます😀

実はシルビアやスカイラインも純正で不等長マニを採用していて、社外品の等長マニも音が良くなるとかで使ったことがありますが、、、、割れる💥😱💦排気ガスは最短距離でタービンに当てた方が多分良い、、、

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