【 TORQUE文学:イエローインパクト① 】
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「あの…スイマセン。北見さん、ココって大丈夫ですか?」
俺が珈琲を飲んでいたテーブルの、向かい側の席を手で指しながら彼女は言った。
「…えっ、あぁ…誰も座わらないと思うよ、たぶん…」
スマホの画面を見ていて、彼女が近づいて来たことに気が付かなかった俺は、少し慌ててそう答えた。
ここは会社の食堂兼休憩室。今は昼の休憩時間。
昼食を食べ終わった俺は、いつものように1人でスマホを見ていた。
会社の規模にしては十分以上に広い食堂なので、俺の周りには誰も座っていない空き席がたくさんある。
彼女がその席に着きたいのは、俺に用があることは明らかだった。
俺に声をかけた彼女は、総務課で働いている女子で、たしか名前は秋川さんだったな。
『秋川 零奈』さん。
数年前に市内にある短大を卒業して、事務機器の部品を製造しているこの会社に入社して来たと記憶している。
「今年 総務課に『秋川 零奈』さんっていう、すごく綺麗な女子が入社した…」
と、当時 現場の男性達の間でも噂になったので、俺も下の名前まで今でも覚えていた。
工業高校を卒業して入社した俺 『北見 淳』は、30年経った今も現場での機械作業しか、業務の経験は無い。
入社して30年 会社からは何度も、製造部門管理職への昇格の話しをもらったが、現在まで全て断ってきた。
小さな頃から機械イジりが大好きで、高校も迷わず工業系の機械科に進んだ。
この会社に就職してからも、毎日現場で油にまみれて仕事をしているが、何も不満はない。
会社側も俺を管理職に就かせることは諦めたようで、ここ数年はそんな話しもしてこなくなった。
そんな現場畑ドップリの俺だから、長く務めているこの会社でも、事務系の人達と話すことはほとんど稀だ。
もちろん、総務課の彼女と話すのも今回がはじめてだ。
話すどころか、製造現場と事務系では建屋が違うせいもあり、お互い勤務中には会ったことすら無い。
食堂兼休憩室は、現場作業員も事務系職員も同じ場所なのだが、座る場所は2つのグループに明確に別れている。
俺が入社したときから既にそうだったし、30年たった今もそのままだ。
彼女の姿はこの食堂では、毎日のように遠目に見かけてはいる。
だが、こうして真向かいの席に座られ間近で見ると、その端正で整った顔立ちに目を奪われる。
(いったいこの俺に何の用だろうか? なにか提出が必要な書類でもあるのかな?)
何も言わずに黙ったままの俺の前に、彼女は制服のポケットから取り出したスマホをそっと置いた。
先日ニューモデルが発売された、京セラ製のタフネススマホ『TORQUE G07』だ。
カラーはイエロー。
【 TORQUE文学:イエローインパクト② 】へ続く。
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投稿を表示地獄のチューナーにROM増量相談💥😀⁉️
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ミステリアスなのか「秋川 零奈」