【 TORQUE文学:頭文字Torque ⑥ 】
【 TORQUE文学:頭文字Torque ⑤ 】より続き。
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ある雨の夜のガレージ。
僕は愛車の『トヨタ86』に搭載されている、スバル社製の『水平対抗エンジン』がかつて奏でていたという『ボクサーサウンド』について、自分なりに調べたことをお父さんに話していた。
僕が調べた範囲で出した結論は、
「現在86に採用されている『等長エキマニ』から『不調長エキマニ』への交換は、音を楽しむこと以外のメリットは無く、『不等長エキマニ』はエンジンの性能面ではデメリットしかない。」
というものだった。
僕は自分の意見をお父さんに話したので、次はお父さんの意見を僕が聞く番だった。
「ねぇ、もし お父さんが僕の86のオーナーだったらさぁ、不等長エキマニに交換する?」
僕は一般論では無く、お父さんとしての『個人的な意見』を求めていた。
僕の問いかけを聞いたお父さんは、今晩3本目の缶ビールの残りをグイッと飲み干すと、4本目の缶ビールを冷蔵庫にから持ってきて開けた。
新しい缶ビールから一口飲んだあと、
「お父さんが86のオーナーだったら、試しにノーマルの等長から不等長エキマニに変えてみたいね。」
意外とも思えるお父さんの回答に、僕はすかさず聞いたみた。
「やっぱり、お父さんも他のオジサンみたいに『ドロドロ~』の音が好きなの?」
「いや。俺はあの音は別に、好きでも嫌いでも無い。」
「…!?」
音に興味が無いのなら、〈お父さんにとって〉交換にはいったい、どんな意味があるのだろうか?
『エキゾーストマニーホールド』なんてのは、交換しても外から見える部品ではないから『付いてるとカッコ良いから…』なんて理由には無理がある…。
黙ったままの僕に向かって、お父さんが言う。
「くくく、ワケ分かんないって顔だな…(笑) 」
最初のくくくは、漫画『湾岸ミッドナイト』の、地獄のチューナー『北見淳』の口マネだ。
「水平対向エンジンの『不等長エキマニ』って、ドロドロした音がするだけで、エンジンの性能にはマイナスでしかないんでしょ?」
お父さんは酔って漫画のマネなんかしているが、話すことはチャンとしているのを僕は知っている。
「いったん、水平対向エンジンってところを別に置いといて、『不等長エキマニ』の部分だけで考えてみようか。」
「ということは、2000ccエンジンでは一般的な、直列エンジン4気筒エンジンで考えてもイイってこと?」
「あぁ、直列も水平も4気筒同士なら、爆発のサイクルは同じだからな。」
構造が独特な水平対向エンジンよりも、シンプルな直列エンジンのほうが、頭の中で描きやすいからありがたい。
「4気筒の4本の排気管のうち、仮に1本の排気管だけが長かったとすると、エンジンはどんな感じで回転するのかイメージしてみて欲しい。」
僕は頭の中で想像してみた。
4本のうちの1本だけが長いのなら、とてもバランスが悪いエンジンになると思う。
1つの気筒の爆発音を『バンッ!』といった感じで現すと、4つ揃っていれば、
「バンバンバンバン、バンバンバンバン、バンバンバンバン…」
っていう感じで、エンジンは回転を続けるだろう。あくまでもイメージだけど。
排気管を長くした気筒の爆発が、弱くなったの仮定してその弱い爆発音を『ぱんっ!』と表現すると、
「バンバンバンぱん、バンバンバンぱん、バンバンバンぱん…」
強い『バン』という爆発が3回連続した後に、弱い『ぱん』という爆発が1回入る。
僕が頭の中でイメージしたことを、お父さんに説明する。
「おぉっ、最近よく勉強しただけに、上手くイメージできてるよっ、それでほぼ間違いない。」
お父さんは、そぅ言って缶ビールをゴクゴクと喉を鳴らして飲む。
僕もペットボトルのコーラの同じくゴクゴクと飲む。美味いっ!
「この『ぱんっ!』ってのが入るから、不等長エキマニは音の連続性が壊れて、ドロドロと籠ったような音がするんだね。」
「まぁ、これが水平対向エンジンの不等長になると、4本のうちの2本が短いからね。長長短短、長長短短…って順番で爆発を繰り返してる。」
なるほど、水平対向エンジンの不等長エキマニは、片方のバンク2本づつ長さが違うんだな。
シリンダーヘッドが左右に離れているから、左右前後どこで排気管を集合させても、不等長になりやすい。
「この排気管の長さが揃ってないってのは、エンジンが回転具合にどんな影響を与えるか、予想できるかな?」
「エンジンをスムーズに回わすには不利だよね。だって爆発力が揃わないんだから。」
多気筒エンジンなら、その1つ1つの爆発力は、当然全てが揃っていたほうが理想だろう。
そんなのは、普通は誰でもそう思う。
「そうだな。できるだけ滑らかに回したいから、エンジン内に『バランサー』なんて余分な機構を付けるくらいだからな。」
僕が情報として知っているのは、排気管は長さが長くなるほどエンジンの低回転に有利で、反対に短いと高回転で有利ということだ。
この場合の『有利』とは、エンジンの出力に対してポジティブな効果があるという意味だ。
現実的にはスペースの問題があるから、排気系の長さは自由度が少ないはずだ。
車は様々なパーツの集合体なのだから、排気管の長さだけを優先させた設計なんて無理だろう。
そうなれば、排気管の長さに関しては『可能な限り揃える』のが、ベターな設計だろう。
やはり、どう考えても『不等長エキマニ』に関しては、『音』と『設計の妥協』以外には何も意味が無いとしか思えない。
「実際にはエンジンには『フライホイール』っていう、回転の円滑にする『はずみ車』が付いてるから、排気管の長さが違ってたってスムーズに回転はする。」
そう、お父さんは言った。
僕も『フライホイール』ってパーツは知っている。
軽いのに交換すると、空吹かしときのエンジンのレスポンスが良くなるみたいだ。
だけど、今 話題にしている内容では、このパーツはあまり関係無いはずだ。
やはり僕には分からない。
なぜお父さんが、不等長エキマニに変えてみたいのかが…。
お父さんの考えは僕には想像できない。
…もぅ、降参だ。
「どんな理由があって、お父さんは86のエキマニを、等長から不等長に変えてみたいの?」
僕の単刀直入な問いかけに、お父さんはこう答えた。
「パワースライド中のリアタイヤのコントロール性が向上するのかを試してみたいからさ。不等長エキマニでな。」
「………えっ?」
もう、何がナンだか分からない…。
お父さんの言ったことの意味が、僕にはサッパリ理解できなかった。
【 TORQUE文学:頭文字Torque ⑦ 】へ続く。
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投稿を表示まさか💥😀⁉️💦🍺
🚛とかのマニ割りマフラーを連想してるのでは💥😀⁉️🍺
ドコドコ‼️ヒュルヒュル‼️ドコドコ‼️🚛💨
アレは直列6気筒の1気筒を別配管して、、、、
トラック野郎🚛まさこ姉😀🍺✨👍
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投稿を表示ワタクシメもさっぱり理解できなくなってきました🤣
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投稿を表示バイクの世界でも位相クランクや不等調エキマニや同長エキマニなど試して効果があったりなかったりしますね。
V4エンジンは最強なんですが排気音が独特で万人受けしないから残念ながら廃れつつあります。勿体ない。
音って人によって感性が違うから難しいんですよね。
市販車は性能の次にコストがからんできますし万人が乗りますから色々と制約がありますね。
よく勉強してるなぁ👏💮
師匠が見てるといいけどね