小説 まさこ日記 ②
わたしは、ひまわりぐみの〈まさこ〉です。
きょうは、ひまわりぐみのせんせいが、かぜで、ふたりとも、おやすみです。
かわりに、となりの、あさがおぐみの、せんせいのひとりが、ひまわりぐみに、きてくれました。
まさこが、だいすきな、おとこのせんせいの、アンドせんせいですっ!
〈 わぁーいっ! わぁーいっ! アンドせんせいだぁーっ!〉
わたしはまえに、アンドせんせいの、くみになったことがありました。
でも、えんのきまりがかわって、オンナノコは、おんなのせんせいの、くみ。
オトコノコは、おとこのせんせいの、くみ。
そぉいぅ、くみわけに、きまったのです。
だから、オンナノコのまさこは、アンドせんせいのくみには、もぅ、はいれません。
だけど、きょうは、オンナノコのひまわりぐみの、せんせいが、ふたりともやすんだから、とくべつなのです。
きょう、ひまわりぐみは、『はこいれ』を、するひです。
おおきなダンボールのはこに、ちいさなはこを、たくさんいれて、フタをします。
ちいさなはこは、テキトーにいれては、いけません。
ちゃんと、きまったいれかたが、あるのです。
まさこは、この 『はこいれ』が、だいとくいです。
いつも、かえるころには、ひまわりぐみの、だれよりも、たくさんできます。
いつもん、おんなのせんせいからは、
「あぁっ、きょうの『はこいれ』も、まさこちゃんが、いちばんだぁっ!」
って、いつもほめてもらえます。
〈 ヤッたぁっ! まさこの、とくいな『はこいれ』のひに、アンドせんせいが、きてくれたぁっ!〉
きょうは、いつもよりも、もっとがんばるぞぉっ!
そして、アンドせんせいに、いっぱいほめてもらうんだっ!
「はい、みなさーん。『はこいれ』を、はじめましょうかぁーっ!」
アンドせんせいは、そういったけど、みんなは、がんばらなくていいよっ!
まさこだけが、がんばって、アンドせんせいに、ひとりだけ、ほめてもらうんだからっ!
まさこはむくちになってから、いまはほとんど、こえのだしかたもわすれました。
でも、おはなしなどしなくても、こまりません。
どうせ、もともと、わたしのいってることなんて、だれもほんきで、きいてくれなかったから。
いつもちゃんと、こころのこえで、おはなししてます。
だから、きこえるひとは、きこえているはずです。
まさこは、もぅ、きめています。
しょうらい、アンドせんせいの、およめさんになるのを。
〈 アンドせんせいっ!すきすきすきすきっ!、だいすきっ!、だぁーいすきっ!〉
まさこはいつも、アンドせんせいをみかけると、こころのなかで、そぅさけんでいます。
まいにち、まいにちです。
こんなに、まいにち、くりかえしさけんでいますから、アンドせんせいはちゃんと、きこえているはずです。
〈アンドせんせいっ、すきすきすきすきっ!すきすきすきすきっ!まさこ、だいすきだよーっ!〉
まさこがこんなに、アンドせんせいがすきなんだから、アンドせんせいも、まさこのことが、だいすきなはずです。
おっとっ!
こんなことを、かんがえていたらダメだ、ダメだ。
きょうは、いつもよりもたくさん、『はこいれ』をしないとぉっ!
ガサガサガサッ!ギュッギュッギュッ!ペタリッ!
まずは、たたんである、おおきなダンボールを、ガサガサとくみたてる。
そこに、ちいさなはこを、ギュッギュッといれて、さいごにフタをして、ペタンとテープではる。
このくりかえしだ。ぜんぜん、むずかしくはない。
でも、たくさんやろうとすると、つぎつぎに、ダンボールをくみたてないと、いけない。
それに、なかにいれる、ちいさなはこも、おきばから、もってこないと、いけない。
〈 たくさんつくって、アンドせんせいに、ほめてもらうんだーっ!〉
1つの『はこいれ』が、おわるだびに、キョロキョロと、まわりを、みまわしてみる。
やっぱり まさこがいちばん、たくさんできてるっ!
いつもよりも、いっしょうけんめいに、やってるから、きょうも、らくしょうで、まさこがいちばんだと、あんしんする。
……。
〈…アレッ…まてよ…。〉
そういえば、となりの、あさがおぐみでも、おんなじ、『はこいれ』は、やってるはず。
あさがおぐみは、オトコノコたちだから、ひょっとしたら…。
まさこよりも、たくさん『はこいれ』が、できるこが、いるかもしれないっ!
ぜったいにいる…まさこよりも、たくさんできるこが、ぜったいオトコノコなら、なんにんもいるっ!
ダメだっ。もっともっと、たくさんやらなくちゃ、アンドせんせいには、ほめてもらえないっ!
ガサガサッ!ギュッギュッ!ペタッ!
ガサガサッ!ギュッギュッ!ペタッ!
ガサガサッ!ギュッギュッ!ペタッ!
もぅ、いちいち、まわりなんて、みてたらダメだ。
まさこのライバルは、ひまわりぐみの、オンナノコじゃない。
となりの、あさがおぐみの、オトコノコたちなんだから。
「あっ、まさこちゃん。そんなにいそがなくても、いいんだよぉ。」
アンドせんせいは、もぅスピードで『はこいれ』をしている、まさこに、そんなこえをかけてくれました。
でも、アンドせんせいに、そぅいわれたって、『はこいれ』のスピードを、おとすわけにはいきません。
〈 アンドせんせいっ!まさこ がんばるよっ!ぜったいに、せんせいに、ほめてもらうんだからねっ!〉
ガサッ!ギュッ!ペタッ!
ガサッ!ギュッ!ペタッ!
ガサッ!ギュッ!ペタッ!
ガサッ!ギュッ!ペタッ!
ガサッ!ギュッ!ペタッ!
「…まっ、まさこちゃん、いいって、いいって、そんなに、いそがなくっても…。」
まさこのまわりは、かんせいした、ダンボールでいっぱいになってる。
…でも…でも…でも…。
これだけ、いっしょうけんめい、やっても、オトコノコたちのほうが、たくさん、つくってるのかも、しれない…。
ガサッギュッペタッ!ガサッギュッペタッ!
ガサッギュッペタッ!ガサッギュッペタッ!
ガサッギュッペタッ!ガサッギュッペタッ!
ガサッギュッペタッ!ガサッギュッペタッ!
ガサッギュッペタッ!ガサッギュッペタッ!
まさこ、もっ、もぅ…これいじょうは、はやく『はこいれ』はできないよ…。
「ストップッ、ストォーップッ!まさこちゃん、ストーップッ!」
そんな、アンドせんせいのこえで、まさこはやっと、てをとめることができた。
〈…ハァッ…ハァッ…ハァッ…ハァッ…。〉
あっ、あついっ!
からだじゅうから、あせが、たくさんでてるっ!
あぁっ…まさこからだが、おふろのあとみたいに、あついっ、あついよぉーっ!
あたまも、すっごくあつくって、おねつのときみたいに、フラフラしてきたぁ…。
もぅ がまんできないっ!
あつくて、とても、おようふくなんて、きてれられないよっ!
「…あっ、まさこちゃん、ダメだよ…ここで、おようふく、ぬいじゃダメェ…。」
うえのふくを、ぬいでるとちゅうで、アンドせんせいの、こまったような、こえがきこえた。
だけど、ぬがずにはいれらないよぅっ!こんなに、あついんだからぁっ!
うえのふくをぬいで、したぎだけになった。
「ダッ、ダメだってば、ぬいじゃあぁっ! はっ、はやくふく、きてぇーっ!」
でも、まだまだ、すっごくあついっ!
したのズボンもぬがないと、とても、あつくていられないよぉっ!
アンドせんせいが、おおきなこえをだしたけど、したのズボンもぬごうとすると、
「 オイィッ!コラァーッ!オレのいぅことを、きけぇーーーっ!」
アンドせんせいが、ズボンをぬいでいる、まさこのてを、ギュッとつかむっ!
ズボンをぬごうしている、てをつかまれて、まさこのあしは、もつれちゃった。
ヨロヨロッ!バッターンッ!
あしがもつれたまさこは、アンドせんせいといっしょに、ゆかにおいといた、ダンボールのうえに、たおれてしまった。
おおむけに、たおれたまさこのうえに、アンドせんせいが、うつぶせになって、ふたりはかさなっていた。
「エェーンッ! エェーーンッ!エェーーーンッ!」
たおれて、ぶつけたオシリが、とてもいたいっ!
おもわずひさしぶりに、おおきなこえがでた。
まさこは、うえはしたぎ、したはズボンを、ひざまでおろしたすがたで、アンドせんせいとかさなって、ないた。
「イッテェーッ!アイタタタァーッ!」
アンドせんせいも、どこかぶつけようで、すごくイタそうだ。
「ガチャッ!」
へやのドアが、いきおいよくあきながら、こえがした。
「だっ、だいじょうぶですかぁっ!なんか、すごいこえしましたが…」
さくらぐみの、おんなのせんせいの、こえだ。
そのこえはすぐに、ひめいにかわった。
「キャッ、キャアーーーッ!」
まさこと、アンドせんせいが、ふたりでダンボールのうえに、かさなってたおれているのを、みたからだ。
「エェーンッ!エェーンッ!エェーンッ…!」
まさこ、オシリがいたいよぅっ!
「イタタタッ!」
アンドさんせいは、カタをうったらしい。かたほうのてで、かたをおさえている。
「アッ、アッ、アンドせんせいっ!いったい、まさこちゃんに、なにしてんですかぁっ!」
さくらぐみの、おんなのせんせいは、おおきなこえで、そぅさけんだ。
「イヤッ、あのね、…ち、ちがうんですよぉ…イタタァ…。」
「エェーンッ!エェーンッ!エェーンッ…!」
「イッ、イヤッ、イヤァーッ! だっ、だれかっ、だれかぁーっ!」
「だっ、だから、ちがうんだってぇっ…イタタタタッ!」
「エェーンッ!エェーンッ!エェーンッ…!」
「アッ、アンドせんせいがぁっ!まっ、まさこちゃんを、はだかにぃーっ!」
「…ちっ、ちがっ、イタタッ…ちがう…ちがうんだってばぁ…。」
「エェーンッ!エェーンッ!エェーンッ…!」
おうちにかえって、みてみると、まさこのオシリには、あおいアザができていた。
でも、つぎのひのあさには、もぅ、いたくはなかった。
…アンドせんせいの、カタは、なおったのかなぁ?
まさこには、それは、わからなかった。
ふたりでたおれた、つぎのひから、アンドせんせいを、みなくなったからだ。
つぎのしゅう。ひまわりぐみの、かえりみち。
いつもとおなじように、おかあさんと、てをつないであるいていると、
「まさこちゃん、こんにちはぁ。 こないだは、こわかったわねぇー。」
きんじょの、オバサンだった。
こわかった、というのは、アンドせんせいと、ふたりでたおれたことかなぁ?
それなら、こわかったじゃなくて、いたかったことだ。
いたかったのも、こわかったのも、まさこはどっちもいやだよ。
「…まぁ、なにごともなくて、よかったよ。けがもしなかったしね。」
おかあさんは、オバサンにむかってそぅいった。
「それにしても、ひどいわよねぇっ!あの、アンドってのっ!」
オバサンは、おこったかおをして、そぅいった。
「さいごまで、アレはじこだって、いいはってたみたいだね。」
「おんなのせんせいに、げんばをみられたのに、よくそんなうそが、いえるわよねぇっ!」
「まさこが、じぶんから、ふくをぬいだとも、いってるしね。」
それはほんとうだけど、あのときは、すっごくあつかったから、しかたなかったんだよ。
「それにさ。まわりにいたのも、ちゃんときいてたんでしょう。あのおとこが、どなってたこと…。」
「 そうね。"オイィッ!コラァーッ!オレのいぅことを、きけぇーーーっ!"って、まさこを、どうかつしたみたい。」
「うっわぁーっ…。それで、ダンボールのうえに、おしたおして、ぬがして…。こわいわねぇーっ…。」
どうかつって、なんだろぅ…?
「アノあとすぐに、じぶんから、じひょうだしたからね。もぅ、わすれようとおもうわ。」
「うん。でも、まさこちゃんも、たいへんよねぇ。こんな、すごいびじんさんに、うまれちゃうと…。」
まさこがだいすきな、アンドせんせいは、たぶん、カタをけがしたんだ。
けががなおったら、きっとまた、もどってくる。
まさこは、そぅ、しんじてるよ。
かえってきたら、こんどこそ『はこいれ』をたくさんやって、ほめてもらうんだぁっ!
アンドせんせいだって、まさこのことが、だいすきなんだから…。
わたしは〈まさこ〉。
ひまわりぐみ・25さい。
END
※2026/05/20に関連記事『 随筆 まさこ抄 ①』を公開しました。
https://torque.kyocera.co.jp/announcements/50ofgeh7krtg5y0s
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投稿を表示ダメ冤罪!
ゼッタイw
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投稿を表示こんばんは😃 最終話(?)おつかれさまでした。
なんだか最後はモヤモヤしてしまいました。 〈 まさこ 〉ちゃんがソレを知る日が来るのか?←これが最終話の狙いでしたら、脳内で『ゴゴゴゴゴゴ…』という擬音が鳴っています。
でも、おつかれさまでした。
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投稿を表示コレはちょっと読みにくい😀💦🍺
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投稿を表示ando-shokaiさん、元気かなぁ。