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ジンベエ親分
2023/11/23 00:45

社外カメラアプリで「ナイトモード」を試みる

さて、前回までの検証で、ナイトモードとは「2枚ほどの画像を連写して加算平均合成などの合成を行って画像を生成するモード」だというところまで分かってきました。

日中でナイトモードを使って撮影した画像から、単なる加算合成だけでなく何やら複雑な合成をしている様子ですが、とりあえず基本は加算平均合成で、合成枚数もおそらく2枚、せいぜい3枚なんだろうな、と思っています。

 

というのは、ナイトモードにするとシャッタースピードは1/15が下限になるんです。プロフォトでは1/6まで遅くすることもできるのですが、とにかく明るく写したいはずのナイトモードでは1/15より遅くはならないのですよ。怪しい…(笑)

 

これは多分、ナイトモードでは連写をするわけで、例えば1/15を2連写するとトータルで実質的に1/7.5、3連写だと1/5のシャッタースピードということになります。まあこのあたりが手ブレ限界でしょう。

「三脚を使わず手持ちで綺麗な写真が撮れる」ことが売りのナイトモードでは1/15が下限、というのはなるほど、と思います。

 

というわけで今回のテーマは「社外カメラアプリでナイトモードのような写真を撮る」ということにします。

加算平均合成だけであれば対応しているカメラアプリがありますし、理屈が分かれば同等の写真が撮れるはず。

 

さて、おさらいにノーマルカメラのナイトモードで撮影した写真を載せます。

毎度同じような絵で申し訳ありませんが、ちゃんと今夜撮り直しています。

 

ノーマルカメラ ナイトモード (1/15 , ISO 25191)

 

なんかナイトモードの画像を見慣れてきてしまった(笑)

街灯の光源あたり、空、右手の家の壁の描写は相変わらず独特ですねぇ。

拡大してみます。

 

ノーマルカメラ ナイトモード 拡大

写真というよりは「絵」みたいな描写です。特に空なんて「適当に塗りたくったろ」って言いたくなるほど雑な塗りつぶし(笑)

ぱっと見にはけっこう高精細に見えた手前のアスファルトの路面も、拡大してみると「こんな感じ?って適当に描いた絵」みたいな(笑)

 

さて、オートモードでナイトモードと同じくらいの明るさで撮るとどうなるか。

オートで+1の露出補正をかけてみました。もうちょっとかなぁ。1.3~1.5くらいプラス補正するとナイトモードとほぼ同等の明るさになりそうですね。

ま、ここは+1の画像で見てみます。

 

ノーマルカメラ オートモード +1 (1/16 , ISO 25957)

見るからにノイジーですね。

でも高感度ノイズとしては綺麗で、私は嫌いではないのですが。

ま、とは言いながら後処理で少しでもノイズを低減しようと努力はするかな、という画質です。

拡大するとこんなです。

 

ノーマルカメラ オートモード +1 拡大

…すげぇな(笑)

でも一眼カメラでも限界付近の高感度では同じようなノイズが乗りますし、極小のスマホカメラのセンサーでISO 25600付近の超高感度でこの画質、というのは極めて良好と言って良いと思います。

さすがクアッドピクセルセンサー。

 

さて、ここまでおさらいしたところで、いよいよ別アプリで撮ってみます。

まずはFV-5のオートでナイトモード、というよりノーマルカメラの+1と同じ程度の明るさの写真を撮ってみます。

やっぱりFV-5でもオートで+1補正をしたら、こういうほぼ同等の明るさになりました。

 

Camera FV-5 オート +1 (1/16 , ISO 25600)

ノーマルカメラと同じような露出で同じような画質になりました。

拡大してみます。

 

Camera FV-5 オート +1 拡大

ノーマルカメラよりノイズは少ないですが、それだけディティールは失われています。

どっちかというとノーマルカメラの方が好きですね。

 

さて、ここからが本題です。

FV-5でSynthetic exposure、つまり合成露出モードにします。FV-5の合成露出には「フィルム」と「光跡」の2つのモードがあるのですが、ここではフィルムモードを選択します。

 

このモード、これまでバイク車載で「露光間ムーブ」でさんざ使ってきたモードなのですが、使っていてこれは加算平均合成をしているのでは?と思い至り、お?それならこれで普通の夜景を撮ればノイズ低減できるのでは?と思った次第でして(^^*)

 

こんや見つけた技で、FV-5では「Photo」モードでプラス補正をしてから合成露出モードにすると、補正をそのまま引き継げるのです。なのでISO 25600で連写→合成することができるわけです。

 

やってみました。

 

Camera FV-5 synthetic exposure 0.5" (ISO 25600)

おおお。見事にノイズが消えている!

これナイトモードよりよっぽど高画質やん!

拡大してもこうです。

 

Camera FV-5 synthetic exposure 0.5" (ISO 25600) 拡大

ノイズはわずかに浮いている程度で、ISO 25600の画像とは思えない低ノイズです。

ま、ディティールは若干甘くなってますが、ぜんぜん許容範囲です。

 

惜しむらくは、FV-5で合成露出モードを選ぶと、画像解像度が200万画素まで落ちてしまうんですよね。

この画質で1200万画素で保存できたらスーパーだったのですが。

 

悪乗りして+2補正してみました。

モニターではISOが51200になってて仰天したのですが、保存画像のexifを見たら36864でした。

ここがこのセンサーの上限なんですかね。

 

Camera FV-5 オート +2 (ISO 36864)

さすがに破綻一歩手前、という画質になりました。

手前の車のディティールはほとんど潰れています。

拡大するとこうです。

 

Camera FV-5 オート +2 (ISO 36864)

…もはや破綻してますね(笑)

 

しかし!

この露出で合成露出をかけたらこうなるんですよ。

 

Camera FV-5 synthetic exposure (ISO 36864)

すげぇ。恐るべし加算平均合成。

 

Camera FV-5 synthetic exposure (ISO 36864) 拡大

マジですかこの低ノイズ。

 

加算平均によるノイズ低減は、ぶっちゃけ合成する画像が多ければ多いほど効果が高くなります。

なのでFV-5の場合、0.5秒だと4~5枚は合成に使っているはず(それだけ連写しているはず)で、2枚かどんなに多くても3枚しか合成できていないナイトモードより低ノイズになるのは理屈に合っています。

 

0.5秒、つまりシャッタースピードにすると1/2秒なので、厳しいですが手持ちで撮れないことはないSSです。身体や腕をどこかで支えなければ高確率でブレるとは思いますが。

200万画素になってしまうのと1/2のSSでブレる確率が高いというデメリットはありますが、トライしてみる価値はある画質かと。

 

この一連の画像は三脚に設置して撮っているので、合成露出も0.5秒と言わず30秒まで可能です。

でも0.5秒より露出時間を長くしても、これ以上大幅には画質は向上しませんでした。

 

まあ、ナイトモードでは加算平均だけでなく別の合成(おそらくHDR合成とか)もしているっぽいので、ナイトモードでしか撮れない画像、というのはあるのでしょうが、少なくともナイトモードで撮るシーンの大半では、FV-5の合成露出モードの方が良好な写真を撮れそうです。

 

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2 件の返信 (新着順)
kawachu
2023/11/23 06:09

毎回勉強になります。
ありがとうございます。

これはSUGOI(#^.^#)