藤本広海 スノーボードへの想いやルーツを語る
各界のプロたちのルーツや、自分の競技や仕事への想いなどに迫るActive Magazine。第2回目ゲストは、フランス発オールマウンテンブランドであるサロモンのプロスノーボーダー藤本広海さん。さらに、別格の耐久性を誇る『TORQUE 5G』の商品企画担当である辻岡正典氏を迎え、進化し続ける両者の強さやこだわりについて語り合う。
PROFILE
藤本 広海(Hiroumi Fujimoto)
1983年10月19日生まれ。札幌市出身。
父親の影響で幼少期よりスノーボードをはじめ、アルペン競技からフリースタイルに転向し、現在はバックカントリーでフリーライドに磨きをかけているライダー。兄、光海(てるうみ)氏もプロスノーボーダー。
現在「サロモンストア サッポロ エクスペリエンスベース」の店長として、ライダーが活躍できる環境を整えている。
辻岡正典(Masanori Tsujioka)
京セラ株式会社 通信機器事業本部 通信事業戦略部 第1法人ビジネスユニット 事業開発課
スノーボードは僕の人生そのもの
物心がついた時からスノーボードを始めて今年で33年目。きっかけは?と聞かれると、今のスノーボード文化を根付かせてくれた、当時アクションスポーツの代理店を経営していた父親が与えてくれた環境にあると思う。
4歳から乗り始めて、小学1年生で兄(プロスノーボーダー藤本光海氏)と一緒に北海道から長野の大会に出場したり。当時は子供用の板はなく、大人用の短いものを使用し、小学4年生でアルペンというスピードを競う競技を始めて、毎週大会に出ては感覚を掴んでいく、そんな生活を送っていました。
その一方でフリースタイルへの憧れがあって、というのも昔から『イメージしないとできない』と、教材としてスノーボードのムービーを沢山与えられてきました。なかでも飛んだり跳ねたり、非現実的というか、人間ってこんな事できるんだ!と、華やかでかっこいい世界に憧れて、高校卒業後にアルペンからフリースタイルへと転身。その後2010年にトヨタビッグエアーという大きな大会があって、その年の日本最高位である8位に入賞しました。
限界に挑め、何も恐れずに
辻岡「自分も昔スノーボードをやっていたので、あんな風にかっこよく飛べるのはすごい!と思います。かなり高いところまで飛びますよね。恐怖心などはどう克服したのでしょうか?」
最初はもちろん怖かったですね。僕は不器用で運動神経の良い人間ではないので、同じ事を何度もなんども繰り返し挑戦し続ける事でやっとものにできたタイプだから、失敗しても積み重ねる事が大事だと思う。
辻岡「今の話を聞いていて“まさにこれだ!”と思った事が1つあって、【限界に挑め、何も恐れずに LIVE MORE. FEAR LESS. 】これは私たちTORQUEの開発コンセプトです。藤本さんの選手としてチャレンジし続ける歴史に凄く共感し、今回まさにぴったりな対談だなと感動しています!」
確かにそうですね(笑)。ありがとうございます。僕は誰よりも早く走るというアルペンスタイルからフリースタイルに入ったので、滑る事に関して長けていると思うし、それが今の独自のスタイルに繋がっているのだと思います。
ここでしか味わえない体験がある
2012年から憧れを抱いていたサロモンライダーとして活動させてもらい、現在サロモンストア サッポロ エクスペリエンス ベース(以下SEB)の店長を勤めています。正直スノーボードしかしてこなかった人生で販売業は未経験。そんな僕が店長として立てているのは、今までやってきた事や見てきた世界は価値のあるもので、それを沢山の人たちに伝え刺激を与えたいと、スノーボードをもっと広げたいという想いがあるから。
このSEBは他の直営店とは違い、体験を通して商品をさらに知ってもらい楽しさや感動が生まれる新たなコミュニケーションの場としています。僕自身、買ってから後悔した事がめちゃくちゃあって、だからこそお客様には「今の板にどんな不満があるのか」「次どんな板に乗りたいか」しっかりとヒアリングした上でニーズにあった商品を提案し、実際にフィールドで試してもらいます。お互いにメリット・デメリットを言える事で、求めているアイテムに出逢えると信じ接客しています。
辻岡「私たちの物作りにも通ずる部分がありますね。我々はお客様に使って本当に良かったと思ってもらう為に、TORQUEをどんな風に使っているのか、どんなご要望があるのかなどを定期的にお客さまアンケートで調べ、その結果から次はこうしていこうという改良を積み重ねてきました。こちらが初代から最新モデルまでになります。」
実は、以前サロモンに入るきっかけを与えてくれたプロライダーの中井孝治氏がプロデュースした板について、本人とディスカッションを重ねてようやく商品化したモデルに初めて乗った時めちゃくちゃ感動したんです。だからTORQUEも初代からどうモデルチェンジしてきたのか気になりますね。
辻岡「これらTORQUEの最大の特徴は、頑丈で落としても壊れにくいところです。建設業や警備業、運送業など壊れてしまったら仕事にならない職業の方や、スノーボードやサーフィンなどアウトドアが趣味な方々にご愛用いただいています。
G01が発売された当初から“タフネススマホ”と呼ばれ大反響で、その後お客様の声をもとに進化し続け、G02で世界初の“耐海水”を追加、G03からワイドアクションカメラが使えるようになり、G04はさらなる耐久性を追求したモデルとして進化しました。そして今回TORQUE 5Gが誕生。実際に触ってみていかがですか?」
さらに強く、驚くほどに使いやすく
たしかに強そうですね!落としても壊れにくそうですが、僕は標高が高く寒いところへ行くことが多いので、電池の減りが早いのが悩み。仲間たちもよく、直接スマホにカイロをつけたりしています(笑)。そのあたりのタフさはどうですか?
辻岡「TORQUE 5Gはマイナス21℃でも使えるので、極寒のスキー場でも正常に作動し、電池も減りにくいのが特徴です。さらにバッテリーが自分で交換可能なため、別売の予備の電池パックを持ち歩いていれば万が一の時も安心です。
TORQUE自体が丈夫で壊れにくいため3〜4年と長く使っている方も多いのですが、そういった方はバッテリーのみ交換して使い続けることも可能です。」
電池の減りが早いと「そろそろ変えどきかな?」なんて思ってたので、バッテリーだけ交換できると本体の買換え不要で便利だし、充電しながら持ち運びもできてかなり魅力的ですね。
辻岡「まさにおっしゃる通りで、自分でバッテリー交換できるのはTORQUEの好評点のひとつです。他にゲレンデでスマホを使う時に困っていることなどはありませんか?」
最近仲間が滑っているところや景色など、写真や動画に撮るように意識しているのですが、いちいちグローブを外さないと操作できないのが面倒臭くてストレスを感じています。
辻岡「同じようなご意見をお客様からいただき、グローブを着用したまま画面をタッチパネル操作できるようにしています。さらに、画面や手が濡れている状態でもタッチパネル操作が可能です。」
風が強い日や寒い日は極力グローブを脱ぎたくないので、着脱不要で使えるのはめちゃくちゃ良いと思う。
辻岡「ゲレンデで仲間と連絡をとる時は、やはりスマホですか?」
そうですね。「どこ行ったの?」ってスマホで電話をかけますが、相手が気付かず出ない時もありますね。
辻岡「そんな時に有効な機能も搭載しており、実はトランシーバーとしても使えます。あらかじめ専用のアプリをダウンロードして契約が必要ですが、端末側面にあるダイレクトボタンを押して会話ができます。また、大音量スピーカーから相手の声が聞こえるので、聞き逃す心配もありません。アプリによっては、万が一聞き逃してしまった時も、会話した内容が文字として残せるので後から確認も可能。ぜひゲレンデで実践してみてください。」
これもスノーボードをやる人間にとっては欠かせない機能の一つだと思います。トランシーバーとスマホの2台持ちをしないですむのと、氷点下の状態で機能してくれるという何よりの安心感がある。素晴らしいな、ここまで進化しているとは驚きました。
辻岡「全てはお客様にいただいたご意見をもとに、細かい改良をずっと続けてきた結果ですね。それはこれからもずっと続けていきます。最後に藤本さんにお聞きしたいことがひとつあります。今まで遭難などの危険な目に遭ったことはありますか?」
僕は幸いなことに今のところないのですが、今年は雪山での事故が多いらしいです。要因の一つとして最近ブームであるスキー場のコース外を滑るバックカントリーが挙げられます。誰も滑っていないパウダースノーを楽しみ、それ用の板もありますが、雪深いところにハマってしまうと助けを求めて声を出し続けるのも相当大変です。
辻岡「そのような危険の際に使える機能として“緊急ブザー”という機能も搭載しています。名前の通り緊急時にTORQUE 5Gから大音量でブザーを鳴らせます。大音量なので広範囲に知らせることができ、同時にLEDライトが光って自分の位置を正確に知らせることもできます。」
スノーボードやアクティブに使う人はTORQUEを持った方がいいですね!素直にみんな使った方がいいと本気で思う。
奇跡のシンクロ
あと気付いたことがあって、今主流のスプリットボードという1本でスキーとスノーボードの2役が楽しめる板のソールと、TORUQUE 5Gのカラーの1つであるイエローが全く同じ!このカラーは万が一遭難した場合やホワイトアウト状態を想定して、見つけやすいようにという意図があります。
辻岡「スノーボードとTORQUEの共通点ですね。鮮やかなカラーはアウトドアで落としても見つけやすく、バッグの中に入れても目立つ色で探しやすい。これもお客様からのご要望が多く、TORQUE 5Gではレッドとイエローを採用しています。さらに、正面カバーのネジを外して他のカラーのものに付け替え、自分好みにカスタムすることもできます。カスタマイズして遊ぶ楽しさも味わっていただきたいですね。」
スノーボードも板やウエア、ブーツなど、様々なアイテムの色を選ぶことが楽しみのひとつでもあり、それが個性であると思う。普段地味なものを選びがちだけど、スノーボードでは映えるカラーを取り入れて滑るのも気持ちが良い。
年齢や価値観にとらわれない、一生続けられるもの
自分からスノーボードを取ったら何も残らないと思うほど、これから先もずっとスノーボードをしていくと思う。10代、20代、30代とやりたいことは違っても、年をとっていくほど洗練されてくる。長くやっていって飽きることはなく、常にフレッシュで、どんどん新しい方向へ向いている。僕にとってのスノーボードは、長く続けていけるっていうことですね。
そしてさらに色んなスノーボードを知りたい、滑ったことのない場所を探して行ったり、初めてを追い続けたい。
辻岡「私たちもTORQUEをブラッシュアップし続けて、スノーボードがさらに安全で楽しくなることに貢献していきたいと思います。」
そうですね、一緒に良いところを伝えていきたいですね。これからも多くの人にスノーボードにハマるきっかけを作ってあげられたら良いなと、趣味からライフスタイルに変わるような、そんなお手伝いができたら良いなと思います。
>動画はこちら 藤本広海 圧巻のパフォーマンスを魅せる撮影の裏側
>続きの記事はこちら
LOCATION:サロモンストア サッポロ エクスペリエンスベース
札幌市中央区宮の森2条16丁目12-1
営業時間:(月〜金)11:00〜20:00/(土・日・祝祭日)10:00〜19:00
定休日:水曜日(祝日の場合営業)
011-213-7168
スポーツギアの真髄を結集させたショップ&体験コミュニケーションスペース。「札幌をスポーツで遊び尽くせ!」をコンセプトに体験や交流会、イベントなどを開催。ギアに関する相談やメンテナンスのアドバイスはもちろん、最新ギアをいち早く試せる場となる。さらにシャワールームを設置しランニングやトレイルランニング、サイクルイベント開催のための機能も備えている。
2021.03.15 公開記事
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