このシリーズを忘れてた(笑)

まあ、そのうちスマホでも撮れちゃうかもしれないですけどね(^-^*)

 

これは比較明合成による画像合成で作った写真でも、かなーり手が込んだ画像です。

どうやって撮ったかと言うと、

 

（１）夜９時半頃に現地到着してセッティング

 

この場所は富山の環水公園という、富岩運河の畔にある公園です。世界一美しいスタバ、もこの写真に写っています。

見て分かるとおり北天を撮っているのですが、この空は８時半頃までは航空機が横切るので、画面に派手な航跡が写り込んでしまいます。

また公園のライトアップは夜10時までなので、その前に到着してセッティングする必要があるというわけです。

 

（２）ライトアップ中に数枚撮る

 

使うのは１枚だけですが。

というのは、この公園のライトアップは周期的に光の色が変わってしまうので、それを連写して比較明合成してしまうと、ライトアップの色が真っ白になってしまうのです。

なので数色撮っておいて、後で必要な画像を決めました。

ここから先は三脚に固定したカメラを微動だにさせてはいけません。

 

（３）午後10時以降に連写開始

 

ライトアップが消えてから連写開始です。

この時の露出条件は、

ISO400 , F4 , 6秒

です。

この６秒というシャッタースピードは、キヤノン特有の謎現象なのですが、６秒以上のSSで連写した画像を比較明合成すると、シャッターとシャッターの間に露光されない時間が存在し、星の軌跡が破線状になってしまうのです。

これを星撮り仲間では「キヤノン６秒の壁」と呼んでいました(笑)

今のキヤノン機にもあるのかな？

 

なのでSSは６秒で、リモコンでシャッターを全押し固定にして50分ほど回しています。

なので画像数は500枚あまりになります。

 

余談ですが、EOS Mを使っていた頃は、ワイヤレスリモコンしかオプションがなく、リモコン端子もなかったので、シャッターを全押し固定することができませんでした。

なので輪ゴムと割り箸で「物理的にシャッターボタンを全押しで固定する道具」を自作してました(笑)

 

（４）画像合成

 

帰宅して500枚あまりの写真をパソコンに取り込み、合成します。

レタッチソフトは動作が遅いので、比較明合成に特化したフリーソフトを使ってましたが、それでも500枚あまりの画像を合成するのには１時間くらいかかるので、合歳をスタートしたら風呂に入って寝る、ってルーチンでしたね(笑)

 

（５）最終調整

 

出力された合成画像をレタッチソフトで読み込んで調整します。

主にノイズの除去ですかね、手間がかかるのは。

画像を等倍表示してノイズを１つずつコピースタンプツールで消していくのですが、もちろんダーク画像（最後にレンズの前を覆って"真っ黒な画像"＝写っているのはノイズだけ）を撮っておいて減算合成でかなりのノイズは消せるのですが、それでもかなりの手間暇です。

 

なので比較明合成での星グルは夏にはあまりやりたくないです。盛大に熱ノイズが出ますから(^-^*)

冬は冬でレンズが結露してしまうトラブルが出るのですが、そのためにレンズに巻くヒーター（モバイルバッテリーから電源をとる）を使ってました。

 

この比較明合成による星グル（星の日周運動）の撮影は、「明るい景色を前景にして撮影可能」という、フィルムカメラには逆立ちしても撮れない写真が撮れる技なのです。

星に露出を合わせると前景の明るさが蓄積されて画面全体が真っ白に飛んでしまうし、前景に露出を合わせたら星なんて写りゃしません。

ところが写っていないようでも実はピクセルタンイだとしっかり写っていて、それを連写した画像を繋げると星が線になって見えるぞ！ということを思いついた人は天才かよ！って思います(^-^*)

 

最近はカメラ内で比較明合成ができる機種もあるんですよ。まあ、できた画像のレタッチが勝負なので、カメラ内で合成できても誰でも撮れる、というわけではありませんが。

 

これはスマホでは無理でしょ(^-^*)

撮れてたまるか！とすら思います(笑)

 

まあ…

カメラアプリで「30秒で100枚連写」という設定ができれば、とりあえず素材は撮影可能ですが、スマホの薄っぺらいボディでは発生する熱に耐えられまい。

途中で落ちるでしょうねぇ(^-^*)

 

というわけで、「スマホでは絶対撮れないシリーズ」を今回は「撮れてたまるか」にタイトルを変えさせていただきましたとさ(笑)