「嘘が付けないサラリーマン」 第341話~第350話
✦ 第341話
「北見と秋川──初めて出会った頃の回想」
✦ ① 最初の出会いは、ほんの一瞬のすれ違い
まだ二人が互いを知らない頃。
春の始まり。
校門の前の道。
秋川が少し急ぎ足で歩いていて、
北見はイヤホンを外しながら校門へ向かっていた。
ほんの一瞬、
二人の視線が重なる。
秋川(心の声)
(……あ、同じ学年の人……かな)
北見(心の声)
(……誰だろ……見たことあるような……)
それだけ。
言葉もない。
名前も知らない。
でも、
小さな“気づき”だけが残った。
✦ ② 次に気づいたのは、歩幅がよく重なること
数日後。
また同じ時間帯。
また同じ道。
秋川はふと横を見る。
北見が少し後ろを歩いている。
秋川(心の声)
(……また……同じ時間……)
北見も気づいていた。
北見(心の声)
(……この人……よく同じ道だな……)
歩幅が自然と重なる。
まだ話さない。
でも、
距離がほんの少しだけ近づいた。
✦ ③ 初めて言葉を交わしたのは、ほんの短い一言
ある朝。
秋川が手に持っていたノートが風で少しめくれ、
落ちそうになる。
北見が自然と手を伸ばして押さえる。
北見
「……あ、これ……」
秋川
「……ありがとう……」
それだけ。
本当に短い一言。
でも、
秋川の胸は少しだけ跳ねた。
秋川(心の声)
(……優しい……)
北見の胸も少しだけ揺れた。
北見(心の声)
(……声……綺麗だ……)
✦ ④ その日から、二人は“気づくようになる”
翌日。
また同じ道。
また同じ時間。
秋川は気づく。
北見が少し前を歩いている。
北見も気づく。
秋川が少し後ろを歩いている。
言葉はない。
でも、
互いの存在に気づくようになった。
秋川(心の声)
(……また……)
北見(心の声)
(……今日も……)
その“また”が、
二人の距離を静かに縮めていった。
✦ ⑤ 初めて並んで歩いたのは、偶然じゃない
ある朝。
信号待ちで、
二人が自然と横に並ぶ。
秋川は少し緊張して、
でも逃げない。
北見は少し照れながら、
でも横を向く。
北見
「……おはよう」
秋川
「……おはよう」
その一言が、
二人の距離を決定的に変えた。
秋川(心の声)
(……この人と歩くの……嫌じゃない……)
北見(心の声)
(……また話したい……)
✦ ⑥ 今の二人につながる“最初の小さな揺れ”
その日から、
二人は自然と並んで歩くようになった。
まだ手はつながない。
まだ甘い言葉もない。
でも、
心の奥で小さな揺れが生まれていた。
秋川(心の声)
(……もっと知りたい……)
北見(心の声)
(……もっと話したい……)
その揺れが、
今の“手をつないだ二人”につながっている。
✦ 第342話
「二人、初めて並んだ日──詳細」
✦ ① その日は、春の光が少し強くなった朝
校門へ向かう道。
春の光が少し強くなって、
影がくっきり伸びる季節。
秋川は少し急ぎ足。
北見はイヤホンを外しながら歩いていた。
いつもより人が多くて、
歩道が少し混んでいた。
その“混雑”が、
二人を自然と近づけた。
✦ ② 信号待ち──二人は偶然、横に並ぶ
歩道の先の信号が赤になり、
人がゆっくりと止まっていく。
秋川も止まる。
北見も止まる。
そして──
自然と横に並ぶ。
秋川(心の声)
(……あ、またこの人……)
北見(心の声)
(……この人……よく同じ時間だな……)
まだ名前も知らない。
でも、
互いの存在を“認識”した瞬間。
✦ ③ 秋川のノートが風でめくれ、北見がそっと押さえる
春の風がふっと吹いて、
秋川の手に持っていたノートがめくれる。
落ちそうになる──
その瞬間。
北見が自然と手を伸ばして押さえる。
北見
「……あ、これ……」
秋川
「……ありがとう……」
その一言。
その一瞬。
それが、
二人の距離を決定的に変えた。
秋川(心の声)
(……優しい……)
北見(心の声)
(……声……綺麗だ……)
✦ ④ 信号が青になっても、二人はすぐに歩き出せない
青になった瞬間、
周りの人は歩き出す。
でも──
二人はほんの一瞬、
その場に残った。
秋川(心の声)
(……なんか……気になる……)
北見(心の声)
(……もう少し……このままでもいい……)
その“ほんの一瞬”が、
二人の距離を静かに縮めた。
✦ ⑤ 歩き出したとき、歩幅が自然と揃う
二人はようやく歩き出す。
でも──
歩幅が自然と揃う。
秋川は気づく。
北見の歩く速度が自分と同じだと。
北見も気づく。
秋川が自分と同じ速度で歩いていると。
言葉はない。
でも、
歩幅が揃うという“無意識の親和”が生まれた。
秋川(心の声)
(……歩きやすい……)
北見(心の声)
(……この距離……嫌じゃない……)
✦ ⑥ 初めての“おはよう”は、信号の次の角で
次の角を曲がるとき、
秋川がふと横を見る。
北見も気づいて、
少し照れながら笑う。
そして──
北見が小さく口を開く。
北見
「……おはよう」
秋川は少し驚いて、
でも逃げずに返す。
秋川
「……おはよう」
その一言。
その一瞬。
それが、
二人の距離を決定的に変えた。
✦ ⑦ その日から、二人は“並んで歩くようになった”
翌日。
また同じ道。
また同じ時間。
秋川は気づく。
北見が少し前を歩いている。
北見も気づく。
秋川が少し後ろを歩いている。
そして──
自然と横に並ぶ。
言葉は少ない。
でも、
二人の距離は確実に縮まっていた。
秋川(心の声)
(……この人と歩くの……嫌じゃない……)
北見(心の声)
(……また話したい……)
その“初めて並んだ日”が、
今の二人の“手をつないだ日”へつながっている。
✦ 第343話
「二人、初めて話した日──詳細」
✦ ① その日は、少し風の強い春の朝
校門へ向かう道。
春の風が少し強くて、
木々の影が揺れていた。
秋川はノートを抱えて歩いていて、
北見はイヤホンを外しながら歩いていた。
いつもより人が多くて、
歩道が少し混んでいた。
その“混雑”が、
二人を自然と近づけた。
✦ ② 信号待ちで、二人はまた横に並ぶ
赤信号。
人がゆっくり止まっていく。
秋川も止まる。
北見も止まる。
そして──
自然と横に並ぶ。
秋川(心の声)
(……またこの人……)
北見(心の声)
(……よく会うな……)
まだ名前も知らない。
でも、
互いの存在を“認識”した瞬間。
✦ ③ 秋川のノートが風でめくれ、北見がそっと押さえる
春の風がふっと吹いて、
秋川のノートがめくれる。
落ちそうになる──
その瞬間。
北見が自然と手を伸ばして押さえる。
北見
「……あ、これ……」
秋川
「……ありがとう……」
その一言。
その一瞬。
それが、
二人の距離を決定的に変えた。
秋川(心の声)
(……優しい……)
北見(心の声)
(……声……綺麗だ……)
✦ ④ 信号が青になっても、二人はすぐに歩き出せない
周りの人は歩き出す。
でも──
二人はほんの一瞬、
その場に残った。
秋川(心の声)
(……なんか……気になる……)
北見(心の声)
(……もう少し……このままでもいい……)
その“ほんの一瞬”が、
二人の距離を静かに縮めた。
✦ ⑤ 歩き出したとき、歩幅が自然と揃う
二人はようやく歩き出す。
でも──
歩幅が自然と揃う。
秋川は気づく。
北見の歩く速度が自分と同じだと。
北見も気づく。
秋川が自分と同じ速度で歩いていると。
言葉はない。
でも、
歩幅が揃うという“無意識の親和”が生まれた。
秋川(心の声)
(……歩きやすい……)
北見(心の声)
(……この距離……嫌じゃない……)
✦ ⑥ 初めての“会話”は、角を曲がった直後
次の角を曲がるとき、
秋川がふと横を見る。
北見も気づいて、
少し照れながら笑う。
そして──
北見が小さく口を開く。
北見
「……さっき……
ノート……大丈夫でした?」
秋川は少し驚いて、
でも逃げずに返す。
秋川
「……うん……
ありがとう……助かった」
北見
「……いえ……」
それだけ。
本当に短い会話。
でも、
二人の距離は確実に変わった。
秋川(心の声)
(……話した……)
北見(心の声)
(……また話したい……)
✦ ⑦ その日から、二人は“話すようになった”
翌日。
また同じ道。
また同じ時間。
秋川は気づく。
北見が少し前を歩いている。
北見も気づく。
秋川が少し後ろを歩いている。
そして──
自然と横に並ぶ。
北見
「……おはよう」
秋川
「……おはよう」
その一言が、
二人の距離を決定的に変えた。
✦ 第344話
「二人、初めて笑い合った日──詳細」
✦ ① 前日の会話の余韻が、二人の胸に残っていた
前日──
ノートを押さえてくれた北見に
秋川が「ありがとう」と言った日。
その短い会話が、
二人の胸に静かに残っていた。
秋川(心の声)
(……また話せるかな……)
北見(心の声)
(……今日も会えるかな……)
互いに少しだけ期待していた。
✦ ② 朝、また同じ道で自然と横に並ぶ
翌朝。
校門へ向かう道。
秋川はふと横を見る。
北見が歩いている。
北見も気づく。
秋川が歩いている。
そして──
自然と横に並ぶ。
秋川(心の声)
(……また……)
北見(心の声)
(……今日も……)
その“また”が、
二人の距離を静かに縮めていく。
✦ ③ 秋川の髪が風でふわっと揺れ、北見が少し驚く
春の風がふっと吹いて、
秋川の髪がふわっと揺れる。
北見は自然とそちらを見る。
昨日より長く。
昨日より深く。
秋川は気づいて、
少し照れながら目を伏せる。
秋川(心の声)
(……見られてる……)
北見(心の声)
(……綺麗だ……)
その“照れ”が、
笑いの前の静かな予兆。
✦ ④ そして──初めての笑いは、ほんの小さな出来事から
信号待ち。
二人は横に並んで立つ。
秋川が手に持っていたノートの端が、
また風で少しめくれる。
秋川
「……また……めくれた……」
北見は思わず笑う。
北見
「……昨日もでしたよね」
秋川もつられて笑う。
秋川
「……ほんとだ……
まただ……」
その笑いは、
声に出すほど大きくない。
でも、
二人の距離を一気に近づける笑い。
✦ ⑤ 笑ったあと、二人は自然と歩幅を合わせる
信号が青になり、
二人は歩き出す。
歩幅は完全に揃っている。
昨日より近い。
昨日より柔らかい。
秋川(心の声)
(……笑った……
北見さんと……)
北見(心の声)
(……秋川さん……
笑うと……すごく綺麗だ……)
その“気づき”が、
二人の距離をさらに縮める。
✦ ⑥ 別れ際、二人は自然ともう一度笑う
校門の前。
別れ際。
秋川
「……じゃあ……また」
北見
「……また」
声が重なる。
そして──
二人は自然と、
ほんの少しだけ笑う。
その笑いは、
昨日までの二人にはなかったもの。
初めての笑い。
初めての“距離の変化”。
初めての“始まり”。
✦ 第345話
「二人、初めて放課後に一緒に歩いた日──詳細」
✦ ① 朝の笑いが、二人の胸にずっと残っていた
その日の朝──
秋川のノートがまた風でめくれて、
二人は初めて笑い合った。
その笑いは、
声に出すほど大きくない。
でも、
胸の奥にずっと残るほど温かかった。
秋川(心の声)
(……今日の朝……なんか……よかった……)
北見(心の声)
(……秋川さん……笑うと……すごく綺麗だった……)
その余韻が、
放課後まで静かに続いていた。
✦ ② 放課後──校門を出た瞬間、二人は気づく
授業が終わり、
校門を出た瞬間。
秋川はふと横を見る。
北見が歩いている。
北見も気づく。
秋川が歩いている。
そして──
自然と歩く方向が同じだった。
秋川(心の声)
(……帰る方向……同じなんだ……)
北見(心の声)
(……一緒に歩ける……)
その“気づき”が、
二人の距離を静かに近づける。
✦ ③ 秋川が少し歩く速度を落とす
秋川はほんの少しだけ歩く速度を落とす。
北見が追いつくのを待つように。
秋川(心の声)
(……もし……一緒に歩けたら……)
北見は気づいて、
自然と歩く速度を合わせる。
北見(心の声)
(……合わせてくれた……?)
その“歩幅の一致”が、
二人の距離をさらに縮める。
✦ ④ 初めての放課後の会話は、ほんの短い一言
北見
「……帰るの……この方向?」
秋川
「……うん……」
北見
「……じゃあ……少し……一緒に」
秋川は少し驚く。
でも逃げない。
秋川
「……うん……」
その“うん”は、
朝の笑いより少しだけ甘い。
✦ ⑤ 歩き出した瞬間、距離が自然と近くなる
二人は並んで歩き出す。
距離は朝より近い。
歩幅は完全に揃っている。
秋川(心の声)
(……放課後……北見さんと歩いてる……)
北見(心の声)
(……この時間……すごくいい……)
言葉は少ない。
でも、
沈黙が心地いい。
✦ ⑥ 秋川がふと横を見る──北見も気づく
夕方の光が少し傾いて、
二人の影が伸びる。
秋川はふと横を見る。
北見も気づいて、
少し照れながら笑う。
秋川(心の声)
(……また……笑ってくれた……)
北見(心の声)
(……秋川さん……横顔……綺麗だ……)
その“気づき”が、
二人の距離をさらに近づける。
✦ ⑦ 別れ際──初めての“また明日”が重なる
家の角の少し手前。
二人は自然と立ち止まる。
秋川
「……じゃあ……また」
北見
「……また」
声が重なる。
朝より柔らかく、
朝より近い。
その“また”が、
二人の関係を静かに変えた。
✦ 第346話
「二人、初めて遠回りした日──詳細」
✦ ① 放課後の帰り道が、昨日より少しだけ名残惜しい
前日──
初めて放課後を一緒に歩いた二人。
その余韻が、
翌日の放課後まで静かに続いていた。
秋川(心の声)
(……今日も……一緒に帰れるかな……)
北見(心の声)
(……また歩きたい……)
校門を出た瞬間、
二人は自然と並ぶ。
距離は昨日より近い。
✦ ② いつもの帰り道なのに、今日は少しだけゆっくり
二人は歩き出す。
でも──
いつもより歩く速度がゆっくり。
秋川は気づく。
北見が少し速度を落としていることに。
北見も気づく。
秋川が自分に合わせていることに。
秋川(心の声)
(……なんか……終わらせたくない……)
北見(心の声)
(……もう少しだけ……一緒にいたい……)
その“少しだけ”が、
遠回りの予兆。
✦ ③ 家の角が近づく──でも、二人は自然と歩幅を落とす
秋川の家が近づく。
いつもならここで別れる。
でも──
二人は自然と歩幅を落とす。
秋川(心の声)
(……まだ……話したい……)
北見(心の声)
(……このまま……終わりたくない……)
誰も言葉にしない。
でも、
“帰りたくない”という気持ちが二人の歩幅を止める。
✦ ④ 秋川がふと横を見る──北見も気づく
夕方の光が二人の影を伸ばす。
秋川はふと横を見る。
北見も気づいて、
少し照れながら笑う。
秋川(心の声)
(……この笑顔……もっと見たい……)
北見(心の声)
(……秋川さん……横顔……綺麗だ……)
その“もっと”が、
遠回りのきっかけ。
✦ ⑤ そして──秋川が小さく口を開く
秋川
「……あの……」
北見
「……うん?」
秋川
「……もう少し……歩きたい……」
声は小さい。
でも、
胸の奥では大きな意味を持つ。
北見は息を飲む。
北見
「……僕も……
もう少し……歩きたい」
その“歩きたい”は、
昨日より深い。
✦ ⑥ 二人は家の角を“そのまま通り過ぎる”
秋川の家の角。
いつもなら別れる場所。
でも──
二人は自然とそのまま通り過ぎる。
秋川(心の声)
(……通り過ぎちゃった……)
北見(心の声)
(……遠回り……してる……)
誰も言葉にしない。
でも、
二人は確かに“遠回り”を選んだ。
✦ ⑦ 遠回りの道は、いつもの道より少し静か
二人が選んだ道は、
いつもの帰り道より少し静かで、
人が少なくて、
夕方の光が柔らかい。
秋川はふと横を見る。
北見も気づいて、
少し照れながら笑う。
秋川(心の声)
(……この時間……好き……)
北見(心の声)
(……この距離……ずっと続けばいい……)
その“好き”と“続けばいい”が、
二人の距離を決定的に近づける。
✦ ⑧ 別れ際──初めての“また歩こうね”
遠回りを終えて、
二人はゆっくり立ち止まる。
秋川
「……今日は……ありがとう……」
北見
「……こっちこそ……」
秋川
「……また……歩こうね……」
北見は胸が一気に熱くなる。
北見
「……うん……
また歩こう……」
その“また歩こう”は、
恋人になる前の、
いちばん大事な約束。
✦ 第347話
「二人、遠回り途中──静かな会話」
✦ ① 遠回りの道は、いつもの帰り道より静か
人が少なくて、
夕方の光が柔らかくて、
風の音だけが聞こえる道。
二人は並んで歩く。
距離はいつもより近い。
歩幅は完全に揃っている。
秋川(心の声)
(……この静けさ……北見さんとだと……心地いい……)
北見(心の声)
(……秋川さん……隣にいるだけで……落ち着く……)
✦ ② 秋川がふと口を開く
秋川
「……この道……初めてかも」
北見
「……俺も……」
秋川
「……なんか……静かだね」
北見
「……うん……
でも……悪くない……」
その“悪くない”は、
秋川と歩いているからこその言葉。
秋川は少しだけ笑う。
✦ ③ 風がふっと吹いて、秋川の髪が揺れる
北見は自然とそちらを見る。
昨日より長く。
今日より深く。
秋川は気づいて、
少し照れながら目を伏せる。
秋川
「……そんなに見ないで……」
北見は慌てて視線を戻す。
でも、声は少しだけ甘い。
北見
「……ごめん……
なんか……今日の秋川さん……
すごく……綺麗で……」
秋川は一瞬だけ足を止める。
胸がふっと熱くなる。
秋川
「……そんなこと……言わないで……」
でも声は嬉しそう。
✦ ④ 二人はまた歩き出す──距離はさらに近い
沈黙。
でも気まずくない。
むしろ甘い。
秋川(心の声)
(……綺麗って……言われた……)
北見(心の声)
(……言っちゃった……
でも……本当にそう思った……)
歩き出した距離は、
さっきより半歩近い。
✦ ⑤ 秋川が小さく、でも大事な一言を落とす
秋川
「……北見さんって……
優しいね……」
北見は息を飲む。
北見
「……そんなこと……ないよ……」
秋川
「……あるよ……
だって……
いつも……気づいてくれる……」
北見は胸が一気に熱くなる。
北見
「……秋川さんが……
気づいてくれるから……」
その“気づいてくれるから”は、
恋人になる前の温度。
✦ ⑥ 遠回りの終わり──二人は自然と立ち止まる
夕方の光が少し弱くなり、
影が重なる。
秋川
「……今日……
遠回りしてよかった……」
北見
「……俺も……
すごく……よかった」
声は小さいのに、
胸の奥では大きな意味を持つ。
二人はまだ触れない。
でも、
心はもう触れている。
✦ 第348話
「二人、さらに深い段階──静かな踏み込み」
✦ ① 遠回りの帰り道の終わり、二人はすぐに別れられない
遠回りを終えて、
家の角の少し手前で立ち止まった二人。
秋川の家はすぐそこ。
でも──
二人は自然と立ち止まる。
距離は昨日より近い。
今日いちばん近い。
秋川(心の声)
(……終わらせたくない……)
北見(心の声)
(……もう少しだけ……一緒にいたい……)
✦ ② 秋川がふと横を見る──北見も気づく
夕方の光が二人の影を重ねる。
秋川はふと横を見る。
北見も気づいて、
少し照れながら笑う。
秋川(心の声)
(……この笑顔……もっと見たい……)
北見(心の声)
(……秋川さん……横顔……綺麗だ……)
その“もっと”が、
次の段階への予兆。
✦ ③ 秋川が小さく息を吸う──そして静かに踏み込む
秋川
「……ねえ……北見さん」
北見
「……うん」
秋川
「……今日……
すごく……楽しかった……」
北見は胸がふっと熱くなる。
北見
「……俺も……
すごく……よかった」
声は小さいのに、
胸の奥では大きな意味を持つ。
✦ ④ そして──二人は自然と“もう半歩”近づく
言葉を交わした瞬間、
二人の距離は自然と半歩近づく。
触れない。
でも、
触れそうな距離。
秋川(心の声)
(……この距離……
もう戻れない……)
北見(心の声)
(……戻りたくない……)
✦ ⑤ 秋川が、今日いちばん踏み込んだ一言を落とす
秋川
「……ねえ……北見さん……」
北見
「……うん」
秋川
「……明日……
また……遠回り……しない?」
北見は息を飲む。
胸が一気に熱くなる。
北見
「……したい……
秋川さんと……また歩きたい」
その“また歩きたい”は、
恋人になる直前の温度。
✦ ⑥ 二人はまだ触れない──でも、心はもう触れている
沈黙。
でも甘い。
気まずくない。
むしろ心地いい。
秋川(心の声)
(……北見さん……
こんなふうに言うんだ……)
北見(心の声)
(……伝わった……
ちゃんと……伝わった……)
二人はまだ触れない。
でも、
心はもう恋人の距離に入っている。
✦ 第349話
「二人、翌日──決定的な距離」
✦ ① 朝、二人はほぼ同時に家を出る
秋川は昨日の余韻が胸に残っていて、
自然と少し早く家を出る。
北見も同じ。
昨日の“また遠回りしよう”が胸に残っていて、
自然と早く家を出る。
角を曲がった瞬間──
二人はほぼ同時に気づく。
秋川
「……おはよう」
北見
「……おはよう」
声が重なる。
昨日より柔らかい。
昨日より近い。
✦ ② 視線が“逸らせない”ほど長く重なる
秋川は北見の顔を見た瞬間、
胸がふっと熱くなる。
秋川(心の声)
(……今日の北見さん……
なんか……昨日より近い……)
北見も、
秋川の表情を見て息を飲む。
北見(心の声)
(……今日の秋川さん……
すごく……綺麗だ……)
視線が昨日より長く重なる。
誰も逸らさない。
✦ ③ 歩き出す距離が“自然と手が届く距離”になる
二人は並んで歩き出す。
昨日より近い。
触れないけれど、
手を伸ばせば届く距離。
秋川
「……今日も……帰ろうね……一緒に」
北見
「……帰ろう……
もちろん」
その“もちろん”は、
昨日より深い。
✦ ④ 放課後──二人は何も言わずに並ぶ
放課後。
校門を出た瞬間、
二人は何も言わずに並ぶ。
距離は昨日より近い。
歩幅は完全に揃っている。
秋川(心の声)
(……今日……ずっと楽しみにしてた……)
北見(心の声)
(……この時間……
ずっと待ってた……)
✦ ⑤ 遠回りの道に入る前──二人は自然と半歩近づく
遠回りの道の入口。
昨日と同じ場所。
でも──
二人は自然と半歩近づく。
秋川(心の声)
(……昨日より……近い……)
北見(心の声)
(……この距離……
もう戻れない……)
✦ ⑥ 遠回りの途中──二人は“触れないのに触れている距離”に入る
夕方の光が柔らかくて、
風が静かで、
人が少ない道。
二人は並んで歩く。
昨日より近い。
触れないのに、
触れているような距離。
秋川はふと横を見る。
北見も気づいて、
少し照れながら笑う。
秋川(心の声)
(……この距離……
好き……)
北見(心の声)
(……この時間……
ずっと続けばいい……)
✦ ⑦ そして──決定的な距離
家の角の少し手前。
昨日より近い距離で立ち止まる。
秋川
「……北見さん」
北見
「……秋川さん」
名前を呼ぶ声が、
昨日より柔らかく、
昨日より近い。
そして──
二人は自然と、
肩が触れそうな距離に入る。
触れない。
でも、
もう恋人の距離。
秋川(心の声)
(……この距離……
もう……戻れない……)
北見(心の声)
(……戻りたくない……)
✦ 第350話
「二人、手をつなぐ直前──静かな時間」
✦ ① 家の角の少し手前で、二人は自然と立ち止まる
夕方の光が低くなって、
二人の影はひとつに重なったまま伸びている。
秋川の家はすぐそこ。
でも──
二人は自然と立ち止まる。
距離は昨日より近い。
今日いちばん近い。
秋川(心の声)
(……終わらせたくない……)
北見(心の声)
(……もう少しだけ……一緒にいたい……)
✦ ② 視線が重なる──誰も逸らさない
秋川はふと横を見る。
北見も気づいて、
少し照れながら笑う。
でも、
今日は誰も視線を逸らさない。
秋川(心の声)
(……こんなに……見つめられたら……)
北見(心の声)
(……秋川さん……
今日……すごく綺麗だ……)
沈黙が甘くなる。
✦ ③ 風がふっと吹いて、秋川の髪が揺れる
その瞬間、
北見は自然とそちらを見る。
昨日より長く。
今日より深く。
秋川は気づいて、
少しだけ目を伏せる。
秋川
「……そんなに見ないで……」
声は小さいのに、
胸の奥では大きな意味を持つ。
北見
「……ごめん……
でも……見たくなる……」
秋川は息を飲む。
✦ ④ 二人の距離が、自然と“手が届く距離”になる
言葉を交わした瞬間、
二人の距離は自然と半歩近づく。
触れない。
でも、
手を伸ばせば届く距離。
秋川(心の声)
(……この距離……
もう戻れない……)
北見(心の声)
(……戻りたくない……)
✦ ⑤ 秋川が小さく息を吸う──そして静かに踏み込む
秋川
「……ねえ……北見さん」
北見
「……うん」
秋川
「……今日……
すごく……嬉しかった……」
北見は胸がふっと熱くなる。
北見
「……俺も……
すごく……よかった」
声は小さいのに、
胸の奥では大きな意味を持つ。
✦ ⑥ そして──二人は自然と“手の近さ”を意識する
沈黙。
でも甘い。
気まずくない。
むしろ心地いい。
秋川はそっと視線を落とす。
北見の手が、
自分の手のすぐ近くにある。
秋川(心の声)
(……触れたい……)
北見も気づく。
秋川の指先が、
自分の指先のすぐ近くにある。
北見(心の声)
(……触れたい……)
触れないのに、
もう触れているような距離。
✦ ⑦ 手をつなぐ直前──二人は同時に息を吸う
秋川
「……北見さん……」
北見
「……秋川さん……」
名前を呼ぶ声が、
昨日より柔らかく、
昨日より近い。
そして──
二人は同時に、
小さく息を吸う。
触れない。
でも、
もう恋人の距離。
2026/07/17 19:57
2件のコメント
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ミュートしたユーザーの投稿です。
投稿を表示生粋の男子校育ちのワイが思い描いた、憧れのシチュエーションであります‼️
放課後。
校門を出た瞬間、
二人は何も言わずに並ぶ。
せ〜つなさが♪
フウッ止まらない♫♪
ああ、ロマンティックが止まりません😍
ミュートしたユーザーの投稿です。
投稿を表示こんばんは。
今回のお話しの冒頭
>最初の出会いは
ほんの一瞬のすれ違い
まだ二人が互いを知らない頃
────────────
『そういえば、そうだったなぁ』と思いながら読ませていただきました。
とても懐かしい昔の思い出です。