「嘘が付けないサラリーマン」 第186話~第195話
✦ 第186話
「秋川、プリンをもう一口もらう」
✦ ① 北見の驚いた顔を見て、秋川の胸がふっと温かくなる
北見が
「……初めて食べました」
と照れながら言ったとき。
秋川は、
その素直な驚きの表情を見て
胸の奥がふっと温かくなった。
“北見さん……
そんな顔するんだ……”
その気持ちが、
自然と次の行動につながる。
✦ ② 秋川がそっとスプーンを伸ばす──
ためらいのない“もう一口”
秋川は、
自分のプリンを見て、
そして北見のプリンを見て、
ふっと微笑んだ。
そして、
自然な動作でスプーンを伸ばす。
「……北見さん……
もう一口だけ、もらってもいいですか」
その声は、
家族に聞こえるか聞こえないかの
絶妙な小ささ。
でも、
北見にはしっかり届く。
北見は照れながらも
自然にスプーンを差し出した。
「……どうぞ」
✦ ③ 秋川が一口食べて、幸せそうに目を細める
秋川は、
北見のプリンをひとすくいして
口に運ぶ。
その瞬間──
目を細めて微笑んだ。
「……やっぱり……
この味、好き……」
その表情は、
恋人の前でだけ見せる
柔らかい、幸せな顔。
北見は、
その横顔に胸が静かに熱くなる。
✦ ④ 母が優しく微笑む──
“この二人、本当にいい関係ね”
秋川の母は、
二人のやり取りを見て
ふっと優しく微笑んだ。
――麗奈……
こんな自然に甘えるなんて……
――この人の前では
本当に安心してるのね……
その微笑みは、
娘の恋を静かに祝福する母の表情。
✦ ⑤ 父の照れ隠しが、さらに空気を柔らかくする
父は、
新聞をめくるふりをしながら言う。
「……おい麗奈。
人のプリンばっかり食うな」
秋川は頬を赤くして言う。
「ちょっとだけだよ、お父さん……」
北見は思わず笑ってしまう。
父はそっぽを向きながら
小さく呟く。
「……まあ、いいけどな」
その“まあ、いいけどな”が、
家族としての受け入れそのもの。
✦ ⑥ 北見の胸に広がる“ここにいていい”という確信
秋川が自分のプリンに戻り、
北見もまた一口食べる。
甘さが広がるたびに、
胸の奥がじんわりと満たされていく。
“……この家の空気が……
こんなにも温かいなんて……”
秋川は、
その横顔を見つめながら
そっと微笑む。
「北見さん……
よかったですね」
北見は、
照れながらも自然に頷いた。
✦ 第187話
「秋川の父、デザートでも照れ隠し」
✦ ① 秋川が“もう一口”食べた瞬間、父の眉がぴくっと動く
秋川が
「……この味、好き……」
と幸せそうに目を細めた瞬間。
秋川の父は、
新聞をめくる手を止め、
眉をぴくっと動かした。
“また人のプリンを……”
そんな心の声が
顔に出てしまっている。
でも、
怒っているわけじゃない。
むしろ──
照れている。
✦ ② 父のぶっきらぼうな一言が飛ぶ
父は、
わざとらしく咳払いをして言う。
「……おい麗奈。
人のプリンばっかり食うな」
秋川は、
スプーンを持ったまま振り返る。
「ちょっとだけだよ、お父さん……」
父はそっぽを向く。
「……ちょっとが多いんだ」
その言い方はぶっきらぼうなのに、
どこか照れくさくて、
優しい。
✦ ③ 北見が思わず笑う──父の“優しさ”が伝わる
北見は、
父のその言い方に
思わず笑ってしまう。
「……大丈夫です。
僕の分、まだありますから」
父は、
その言葉に一瞬だけ目を合わせ、
すぐにそっぽを向く。
「……そういう問題じゃない」
でも、
口元がわずかに緩んでいる。
✦ ④ 母がくすっと笑う──“あなた、本当に分かりやすいのよ”
秋川の母は、
父の照れ隠しを見て
くすっと笑う。
「あなた……
本当に分かりやすいのよ」
父はむすっとした顔で返す。
「……別に分かりやすくしてるつもりはない」
でも、
耳がほんのり赤い。
✦ ⑤ 秋川が父に微笑む──“ありがとう”の気持ちを込めて
秋川は、
父の照れ隠しを見て
そっと微笑む。
「お父さん……
ありがとう」
父は驚いたように目を丸くし、
すぐにそっぽを向く。
「……何の話だ」
でも、
その声は柔らかかった。
✦ ⑥ 北見の胸に広がる“家族の中にいる感覚”
北見は、
父の不器用な優しさを見ながら
胸の奥がじんわりと温かくなる。
“……この家は……
本当に温かい……”
秋川は、
その横顔を見つめながら
そっと微笑む。
✦ 第188話
「北見、デザートの感想を伝える」
✦ ① プリンをもう一口食べて、北見の表情がふっと緩む
北見は、
秋川に“もう一口”食べられたあと、
自分のプリンをそっとすくい、
口に運んだ。
その瞬間──
表情がふわりと緩む。
「……本当に……美味しいです……」
その声は、
驚きと感動が混ざった
素直な声。
秋川は、
その横顔を見て胸が温かくなる。
✦ ② 北見が母に向き直り、丁寧に言葉を紡ぐ
北見は、
スプーンを置き、
秋川の母に向き直った。
「……あの……
このプリン……
本当に優しい味で……
なんというか……
落ち着く味です」
母は、
その言葉にふっと微笑む。
「そう言ってもらえると嬉しいわ。
甘さ控えめにしてあるの」
北見は頷きながら続ける。
「……市販のプリンとは全然違って……
手作りの温かさがあって……
すごく……好きです」
その“好きです”は、
プリンだけでなく、
この家の空気にも向けられていた。
✦ ③ 父のぶっきらぼうな照れ隠しが入る
父は新聞をめくるふりをしながら言う。
「……そんなに褒めるほどか?」
北見は、
照れながらも自然に笑う。
「……はい。
本当に美味しいです」
父はそっぽを向きながら
小さく呟く。
「……まあ、うまいからな」
その“まあ、うまいからな”が、
照れ隠しの優しさそのもの。
秋川は思わず笑ってしまう。
✦ ④ 秋川が嬉しそうに微笑む──
“北見さんのその言い方、好き”
秋川は、
北見が丁寧に感想を伝える姿を見て
胸の奥がふっと温かくなる。
“北見さん……
ちゃんと家族に気持ちを伝えてくれてる……”
その姿が、
たまらなく嬉しい。
✦ ⑤ 北見の胸に広がる“ここにいていい”という確信
プリンをもう一口食べながら、
北見は静かに思う。
“……この家の味も……
この家の空気も……
全部、温かい……”
秋川は、
その横顔を見つめながら
そっと微笑む。
✦ 第189話
「家族、デザートを食べながら雑談する」
✦ ① プリンを食べる音だけが、しばらく続く
テーブルには、
スプーンが器に触れる小さな音だけが響く。
カチャ……
カチャ……
その静けさは、
気まずさではなく、
“居心地のいい沈黙”。
北見は、
その空気に胸がじんわりと温かくなる。
秋川は、
そんな北見の横顔を見て微笑む。
✦ ② 母がふっと話題を投げる──“家族の雑談”の始まり
母は、
プリンをひと口食べてから
ふっと言った。
「北見さん、
甘いものはよく食べるの?」
北見は少し考えてから答える。
「……最近はあまり食べていませんでした。
でも……こういう手作りのものは、
すごく好きです」
母は嬉しそうに頷く。
「じゃあ、今度来たときも作るわね」
秋川が笑う。
「お母さん、張り切りすぎだよ」
母は照れたように笑う。
✦ ③ 父がぶっきらぼうに話題を足す
父は新聞をめくるふりをしながら言う。
「……甘いものが好きなら、
うちの羊羹も食わせてやりたいな」
秋川が驚く。
「えっ、お父さんの羊羹?
あれ、たまにしか作らないじゃん」
父はそっぽを向く。
「……気が向いたらだ」
でも、
その“気が向いたら”は
“作ってやるつもり” の意味。
北見は自然に笑う。
「……ぜひ、食べてみたいです」
父は照れ隠しのように咳払いする。
✦ ④ 秋川が話題を広げる──“恋人としての自然さ”
秋川は、
北見のプリンを見ながら言う。
「北見さん、
甘いものなら……
チーズケーキも好きでしたよね?」
北見は照れながら頷く。
「……はい。
あれは……つい買ってしまいます」
母がすぐに反応する。
「じゃあ、今度はチーズケーキも作ってみようかしら」
秋川が笑う。
「お母さん、完全に北見さんの好み覚えちゃってる」
母は嬉しそうに微笑む。
✦ ⑤ 家族全員が笑う──“本当の家族の時間”
父がぼそっと言う。
「……甘いものばっかり食ってると太るぞ」
秋川がすかさず返す。
「お父さんが言う?」
母が吹き出す。
北見も思わず笑ってしまう。
その笑いは、
緊張のない、
自然で、
温かい笑い。
“ああ……
自分は今、この家族の中にいるんだ……”
北見は、
その感覚を胸の奥で静かに噛みしめた。
✦ 第190話
「秋川の母、次に会う日の話題を出す」
✦ ① プリンを食べ終えたタイミングで、母がふっと切り出す
食卓には、
プリンの器とスプーンが並び、
甘い余韻が残っている。
母は、
その空気を見て
ふっと柔らかく微笑んだ。
そして、
自然な声で言う。
「北見さん。
……また、いつでも来てくださいね」
その言葉は、
“お客さん”ではなく
“家族としての招待”。
北見は驚き、
思わず姿勢を正す。
✦ ② 秋川が少し照れながらも嬉しそうに微笑む
秋川は、
母の言葉を聞いて
頬を少し赤くしながら微笑む。
「お母さん……
そんな急に言わなくても……」
でも、
その声は嬉しさを隠しきれていない。
北見は、
その横顔を見て胸が温かくなる。
✦ ③ 母が続ける──“次の予定”を自然に聞く
母は、
湯呑みを片づけながら
何気ない調子で言う。
「そういえば……
麗奈と北見さん、
次のお休みはいつなの?」
秋川が驚く。
「えっ、お母さん……
なんでそんなこと聞くの」
母は笑う。
「だって、
また二人で来るかもしれないでしょ」
その言い方は軽いのに、
完全に“家族としての前提”。
✦ ④ 北見が少し照れながらも答える
北見は、
少し照れながらも
自然に答えた。
「……次の休みは、
来週の土曜日です」
秋川が横で頷く。
「私も、その日休み」
母は嬉しそうに微笑む。
「じゃあ……
その日にまた来てくれる?」
北見は驚きつつも、
自然に笑って頷いた。
「……はい。
ぜひ、伺わせてください」
✦ ⑤ 父のぶっきらぼうな“承認”
父は新聞をめくるふりをしながら
ぼそっと言う。
「……来るなら、
また魚でも焼いてやる」
秋川が笑う。
「お父さん、結局嬉しいんじゃん」
父はそっぽを向く。
「……別に」
でも、
耳がほんのり赤い。
✦ ⑥ 北見の胸に広がる“これからも続く関係”
北見は、
母の言葉、
父の照れ隠し、
秋川の笑顔を見ながら
胸の奥がじんわりと満たされていく。
“……この家に……
また来ていいんだ……”
その実感が、
静かに深く落ちていく。
秋川は、
その横顔を見つめながら
そっと微笑む。
✦ 第191話
「秋川の母、最後の一言」
✦ ① 席を立つ北見を、母がそっと呼び止める
デザートも終わり、
北見が軽く頭を下げて席を立とうとしたとき。
秋川の母は、
湯呑みを片づけながら
ふっと優しい声で呼び止めた。
「北見さん」
北見は驚いて振り返る。
その表情には、
少しだけ緊張が戻っている。
✦ ② 母は、柔らかい笑顔で言う
母は、
まるで“家族に言うような声”で
静かに、柔らかく言った。
「今日は来てくれてありがとう。
麗奈が……本当に嬉しそうだったわ」
秋川は、
その言葉に思わず目を伏せる。
頬がほんのり赤い。
北見は、
胸の奥がじんわりと熱くなる。
✦ ③ 続く一言──
“あなたを受け入れていますよ”というサイン
母は、
少しだけ表情を和らげて続けた。
「……北見さん。
これからも、どうぞよろしくね」
その言葉は短い。
でも、
その短さの中に
“家族として受け入れていますよ”
という温度が確かにあった。
北見は、
深く、深く頭を下げる。
「……こちらこそ……
よろしくお願いします」
その声は震えていない。
✦ ④ 秋川がそっと北見の袖をつまむ
母の言葉を聞いたあと、
秋川はそっと北見の袖をつまんだ。
その仕草は、
“よかったね”
“安心していいよ”
そんな気持ちが全部詰まっている。
北見は、
その小さな触れ方に
胸が静かに満たされていく。
✦ ⑤ 父の最後の照れ隠しが、場を締める
父は新聞をめくるふりをしながら
ぼそっと言う。
「……気をつけて帰れよ」
それだけ。
でも、
その一言が
この家の“優しさの締め”だった。
秋川の母は微笑み、
秋川は嬉しそうに頷き、
北見は深く頭を下げた。
✦ 第192話
「北見、帰る前に父と少しだけ話す」
✦ ① 片付けをする母と秋川、残された二人
母と秋川が食器を運び、
キッチンへ向かう。
リビングには、
北見と秋川の父だけが残る。
静かだが、
気まずさではない。
“男同士の沈黙”
という、独特の空気。
北見は少し緊張しつつも、
姿勢を正す。
✦ ② 父が先に口を開く──ぶっきらぼうで、でも優しい
父は新聞を畳み、
ふっと息をついて言う。
「……北見」
北見は驚き、
すぐに向き直る。
「はい」
父は、
目を合わせずに続ける。
「……今日は、よく来たな」
その言い方は短くて、
ぶっきらぼうで、
でも──
“ありがとう” が確かに含まれている。
北見は深く頭を下げる。
「こちらこそ……
本当に、ありがとうございました」
✦ ③ 父の“男としての確認”
父は腕を組み、
少しだけ北見を見た。
「……麗奈のことだがな」
北見の背筋が伸びる。
父は続ける。
「……あいつは、
見た目よりずっと繊細だ」
北見は静かに頷く。
「はい。
それは……今日、よく分かりました」
父は、
その答えにわずかに目を細める。
「……ならいい」
その“ならいい”は、
“任せる” に近い。
✦ ④ 父の本音が、短い言葉に滲む
父は、
少しだけ照れたように視線をそらしながら言う。
「……あいつが笑ってるなら……
それでいい」
北見は胸が熱くなる。
「……僕も……
麗奈さんが笑ってくれるのが……
一番嬉しいです」
父はそっぽを向きながら
小さく呟く。
「……なら、頼んだぞ」
その言葉は、
今日一番の“父としての本音”。
北見は深く頭を下げる。
「……はい。
必ず」
✦ ⑤ 秋川が戻ってきて、二人の空気を感じ取る
キッチンから戻ってきた秋川は、
二人の空気を見て
ふっと微笑む。
「お父さん……
何話してたの」
父はむすっとして言う。
「……別に」
北見は照れながら微笑む。
秋川は、
その二人の距離が
少し縮まったことを感じ取る。
✦ 第193話
「秋川の父、最後の呟き」
✦ ① 北見が玄関へ向かう
北見が立ち上がり、
秋川と母に軽く頭を下げて
玄関へ向かう。
秋川の父は、
その背中を
新聞越しにちらりと見送る。
その目は、
厳しさではなく、
“見守る父の目”。
✦ ② 秋川が靴を揃え、北見を見上げる
秋川は玄関で北見の靴を揃え、
そっと見上げる。
「北見さん……
今日はありがとう」
北見は照れながら微笑む。
「こちらこそ……
本当に、ありがとうございました」
その声は、
家族の温度に触れた人の声。
✦ ③ その瞬間、父が小さく呟く
二人が玄関で並ぶ姿を見て、
秋川の父は
新聞を畳みながら
誰にも聞こえないほどの声で呟いた。
「……あいつ、悪くねぇな」
その言葉は、
北見に向けたものでもあり、
自分自身への確認でもある。
“娘が選んだ相手を、
俺はちゃんと認めている”
そんな意味が
静かに滲んでいた。
✦ ④ 母がその呟きを聞き、ふっと微笑む
秋川の母は、
その小さな呟きを聞き逃さなかった。
ふっと優しく微笑む。
――あなた、
本当に分かりやすいのよ……
その微笑みは、
夫の不器用な優しさを
長年見てきた人の表情。
✦ ⑤ 秋川は気づかないまま、北見を見送る
秋川は父の呟きに気づかず、
ただ北見を見つめている。
その横顔は、
安心と嬉しさが混ざった
柔らかい表情。
北見は、
その表情を胸に刻むように
そっと微笑んだ。
✦ 第194話
「秋川、北見を玄関まで送る」
✦ ① 靴を揃えながら、秋川がそっと横に立つ
北見が玄関に向かい、
靴を履こうとしゃがんだ瞬間。
秋川は、
自然な動作でその横にしゃがみ、
北見の靴をそっと揃えた。
「……帰り、気をつけてくださいね」
その声は、
家族の前より少しだけ柔らかい。
北見は照れながら微笑む。
「ありがとう。
本当に……今日は楽しかったです」
✦ ② 秋川の表情が、家族の前とは違う“恋人の顔”になる
秋川は、
北見の言葉を聞いて
ふっと目を細める。
家族の前では見せなかった、
恋人としての柔らかい表情。
「……よかった。
北見さんが楽しそうで……
私も嬉しかったです」
その声は、
小さくて、
優しくて、
胸に染みる。
北見は、
その表情に胸が熱くなる。
✦ ③ 玄関の静けさが、二人だけの空気をつくる
リビングからは
父の新聞をめくる音と、
母の片付ける食器の音が微かに聞こえる。
でも玄関は静かで、
まるで二人だけの空間。
北見は、
その静けさに背中を押されるように
小さく息を吸う。
「……秋川さん」
秋川は顔を上げる。
「はい」
✦ ④ 北見が言葉を探し、秋川がそっと待つ
北見は、
何か言いたそうに口を開きかけて、
少しだけ迷う。
秋川は、
その迷いを優しく受け止めるように
ただ静かに待つ。
その“待つ姿勢”が、
北見の胸をさらに温かくする。
✦ ⑤ 秋川が小さく微笑む──
“また来てくださいね”の代わりに
秋川は、
北見の迷いを感じ取って
そっと微笑んだ。
「……また来てくださいね。
うちの家族、北見さんのこと……
すごく気に入ってましたから」
その言葉は、
“また会いたい”
“次も一緒に来てほしい”
そんな気持ちが全部詰まっている。
北見は、
胸の奥がじんわりと熱くなる。
「……はい。
また来ます。
必ず」
✦ ⑥ 秋川がそっと一歩近づく
北見が靴を履き終え、
立ち上がろうとした瞬間。
秋川は、
ほんの少しだけ一歩近づいた。
触れない距離。
でも、
触れそうな距離。
「……気をつけて帰ってくださいね」
その声は、
今日一番の優しさだった。
北見は深く頷く。
「……行ってきます」
秋川は、
静かに微笑んだ。
✦ 第195話
「北見、帰り際に秋川へ小さく一言」
✦ ① 玄関の静けさが、二人だけの空気をつくる
靴を履き終えた北見が立ち上がる。
秋川は、
そのすぐ前に立って
少しだけ見上げている。
家の奥からは
食器の音が微かに聞こえるだけ。
玄関は、
まるで二人のために
静けさを残してくれているようだった。
✦ ② 北見が息を吸い、言葉を探す
北見は、
秋川の顔を見て
ふっと息を吸う。
言いたいことはある。
でも、
どう言えばいいのか分からない。
秋川は、
その迷いを感じ取って
ただ静かに待つ。
その“待つ姿勢”が、
北見の背中をそっと押す。
✦ ③ 北見の声は小さく、でもまっすぐ
北見は、
ほんの少しだけ視線を落とし、
そして秋川を見つめて言った。
「……今日は……
本当に……ありがとう」
その“ありがとう”には、
いろんな意味が込められている。
・家に招いてくれたこと
・家族に紹介してくれたこと
・そばにいてくれたこと
・自分を受け入れてくれたこと
全部。
秋川は、
その言葉を胸の奥で受け止めるように
そっと微笑む。
✦ ④ 続く一言──
“また会いたい”を隠しきれない
北見は、
言葉を続けようか迷い、
でも勇気を出して言った。
「……また……会いたいです」
声は小さい。
でも、
迷いのない言葉。
秋川の目が
ふっと柔らかく揺れる。
✦ ⑤ 秋川の返事は、静かで、温かい
秋川は、
その言葉を聞いて
胸の奥がじんわりと熱くなる。
そして、
小さく、でもはっきりと答える。
「……はい。
私も……会いたいです」
その瞬間、
玄関の空気が
静かに、優しく満ちていく。
✦ ⑥ 北見が一歩外へ出る
北見は、
その言葉を胸に刻むように
深く頷き、
そっと扉を開ける。
外の空気が流れ込み、
夜の静けさが二人を包む。
北見は振り返り、
小さく微笑んで言う。
「……行ってきます」
秋川は、
その背中に向けて
静かに微笑む。
「……行ってらっしゃい」
2026/05/30 00:09
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投稿を表示🦊最近、プリン🍮の味を思い出しちまった。
🌏️プリン🍮と月餅🥮の絨毯爆撃だぁ~。
🦊食いてぇ!