TORQUEと秋 3
帰還の灯火
合流地点である中腹の東屋にたどり着いた頃には、山肌はすっかり深い藍色の闇に包まれていた。冷え込んだ空気の中で白い息を弾ませながら待っていてくれた仲間の姿を見た瞬間、張り詰めていた緊張の糸がふと緩む。手渡された温かい缶コーヒーの熱が、冷え切った指先から体中へとゆっくりとしみわたっていった。
「その傷、すごいことになってるじゃないか」
仲間が指差したのは、手に持ったTORQUEの痛々しいバンパーだった。しかし、その声には心配の色だけでなく、共に過酷な山を越えてきた相棒に対する奇妙な連帯感と称賛の色が混じっている。画面を点けると、バッテリーはまだ十分に残り、暗闇を照らす懐中電灯の代わりとしても頼もしい光を放ち続けた。
下山道を進む足取りは、昼間の軽快さこそ失われていたが、確かな重みと安心感に満ちていた。ポケットの中のTORQUEは、幾重もの擦り傷をまといながらも静かに呼吸をするように温もりを保っている。人間が恐れる自然の厳しさと、それを超えて繋がる温かさ。そのすべてを知る小さな相棒とともに、私たちは長い秋の夕暮れを抜け、それぞれの日常へと静かに帰路を急いだ。

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温もりのあるTORQUE
😆👍🍻🍀