「嘘が付けないサラリーマン」 第361話~第370話
✦ 第361話
「北見、あと一歩──背中を押された瞬間」
✦ ① 秋川の名前を呼んだあと、胸の奥に残った“揺れ”
北見はまだ秋川の手を握ったまま。
名前を呼んだ余韻が胸に残っている。
北見(心の声)
(……秋川さん……
こんな距離で……
こんな声で……)
その揺れは、
もう“友達”では説明できない。
✦ ② 「あと一歩」の言葉が、北見の胸の奥に落ちる
秋川が少しだけ指を絡め直す。
その小さな動きが、
北見の胸に直接届く。
北見(心の声)
(……あと一歩……
踏み出したい……)
“ゆっくり早く”という矛盾した速度が、
北見の気持ちにぴったり重なる。
✦ ③ 北見は気づく──もう逃げる理由がない
沈黙の中で、
秋川の目がまっすぐ自分を見ている。
その視線は、
怖くない。
重くない。
ただ、
受け止めてくれる視線。
北見(心の声)
(……逃げる理由……
もうない……)
✦ ④ “あと一歩”が、自然と体を前へ押す
北見はゆっくり、
本当にゆっくり秋川に近づく。
手はつないだまま。
距離は恋人の距離。
夕方の光が二人の影を重ねる。
北見(心の声)
(……この人と……
もっと近づきたい……)
“ゆっくり早く”という言葉の意味が、
胸の奥で形になる。
✦ ⑤ 北見が踏み出す“あと一歩”
北見
「……秋川さん……」
秋川
「……うん……」
北見は、
つないだ手を少しだけ強く握る。
そして──
半歩、近づく。
その半歩は、
恋人になる前の、
いちばん大事な一歩。
北見(心の声)
(……この人を……
大事にしたい……)
✦ ⑥ “娶れ”という言葉の意味は、まだ知らない
北見はまだ知らない。
この一歩が、
未来につながる一歩だということを。
でも、
胸の奥では確かに芽が生まれている。
北見(心の声)
(……秋川さんと……
この先も歩きたい……)
それが、
“ゆっくり早く”の最初の答え。
✦ 第362話
「二人、半歩近づいた直後──余韻」
✦ ① 半歩近づいた瞬間、空気が変わる
北見がそっと半歩近づいた。
手はつないだまま。
距離は恋人の距離。
その瞬間──
空気がふっと変わる。
秋川(心の声)
(……近い……
さっきより……ずっと……)
北見(心の声)
(……ここまで来ていいんだ……)
沈黙の温度が一段深くなる。
✦ ② 二人はすぐに動けない
半歩近づいただけなのに、
二人はすぐに動けない。
歩き出すには近すぎて、
離れるには甘すぎて、
言葉を挟むには静かすぎる。
秋川(心の声)
(……この距離……
壊したくない……)
北見(心の声)
(……もう少しだけ……
このままでいたい……)
余韻が二人を止める。
✦ ③ 指先が少しだけ絡み直る
半歩近づいたことで、
自然と指先が少しだけ絡み直る。
ほんの小さな動き。
でも、
胸の奥には大きく響く。
秋川(心の声)
(……触れてる……
ちゃんと……触れてる……)
北見(心の声)
(……離したくない……)
余韻が指先を温める。
✦ ④ 視線を合わせる勇気が出ない
近づきすぎて、
すぐには視線を合わせられない。
秋川は少しだけ俯く。
北見も少しだけ視線を落とす。
でも──
その“見られない”が逆に深い。
秋川(心の声)
(……見たら……
胸がもっと揺れる……)
北見(心の声)
(……見たら……
言葉が出なくなる……)
余韻が視線をそっと遮る。
✦ ⑤ それでも、ふと同時に横を見る
ほんの一瞬だけ、
二人は同時に横を見る。
視線が重なる。
誰も逸らさない。
秋川(心の声)
(……だめ……
こんなの……)
北見(心の声)
(……秋川さん……
こんな距離で……)
余韻が一気に甘くなる。
✦ ⑥ 半歩の余韻が、二人の距離を決定的に変える
秋川
「……北見さん……」
北見
「……秋川さん……」
名前を呼ぶ声は、
さっきより柔らかく、
さっきより近い。
半歩近づいただけなのに──
二人の距離は、
もう恋人の距離に入っている。
✦ 第363話
「二人、距離ゼロに近づく瞬間」
✦ ① 半歩近づいたまま、二人は動けない
北見が半歩近づいたあと、
二人はその場で止まる。
手はつないだまま。
指は絡んだまま。
距離は恋人の距離。
秋川(心の声)
(……近い……
さっきより……ずっと……)
北見(心の声)
(……ここまで来ていいんだ……)
空気がふっと変わる。
✦ ② もう一歩で触れる距離──でも誰も踏み出さない
二人の間には、
ほんの数センチの“余白”しかない。
触れない。
でも、
触れたら終わる距離。
秋川(心の声)
(……この距離……
壊したくない……)
北見(心の声)
(……もう少しだけ……
このままでいたい……)
その“ためらい”が甘い。
✦ ③ 指先がゆっくり絡み直る
距離ゼロに近づく前、
自然と指先が少しだけ絡み直る。
ほんの小さな動き。
でも胸の奥には大きく響く。
秋川(心の声)
(……触れてる……
ちゃんと……触れてる……)
北見(心の声)
(……離したくない……)
指先が、
距離ゼロの前触れになる。
✦ ④ 視線を合わせる勇気が出ない
近づきすぎて、
すぐには視線を合わせられない。
秋川は少しだけ俯く。
北見も少しだけ視線を落とす。
でも──
その“見られない”が逆に深い。
秋川(心の声)
(……見たら……
胸がもっと揺れる……)
北見(心の声)
(……見たら……
言葉が出なくなる……)
距離ゼロの直前は、
視線すら重い。
✦ ⑤ ふと同時に横を見る──距離ゼロの直前
ほんの一瞬だけ、
二人は同時に横を見る。
視線が重なる。
誰も逸らさない。
秋川(心の声)
(……だめ……
こんなの……)
北見(心の声)
(……秋川さん……
こんな距離で……)
その瞬間──
距離はほぼゼロ。
✦ ⑥ 秋川が小さく息を吸う──合図になる
秋川はそっと息を吸う。
その音だけで、
北見の胸がふっと揺れる。
北見(心の声)
(……来る……
たぶん……来る……)
距離ゼロの直前、
息の音が合図になる。
✦ ⑦ 二人は同時に、ほんの少しだけ前へ
秋川
「……北見さん……」
北見
「……秋川さん……」
名前を呼ぶ声は、
さっきより柔らかく、
さっきより近い。
そして──
二人は同時に、
ほんの少しだけ前へ。
触れない。
でも、
もう触れたも同じ距離。
距離ゼロの直前。
恋人になる直前。
二人の世界が静かに重なる瞬間。
✦ 第364話
「秋川・距離ゼロ直前──胸の揺れ」
✦ ① 半歩近づかれた瞬間、胸がふっと跳ねる
北見がそっと半歩近づいた。
その動きはゆっくりなのに、
秋川の胸は一気に跳ねる。
秋川(心の声)
(……近い……
さっきより……ずっと……)
距離が縮まっただけなのに、
胸の奥が静かに震える。
✦ ② “触れないのに触れている距離”が胸を揺らす
距離はほぼゼロ。
触れていないのに、
触れたみたいに温かい。
秋川(心の声)
(……この距離……
壊したくない……
でも……もっと近づきたい……)
矛盾した気持ちが胸の奥で重なる。
✦ ③ 指先が少し動く──自分でも驚くほど自然に
距離ゼロ直前、
秋川は自然と指を少し絡め直す。
自分でも驚くほど自然に。
秋川(心の声)
(……返したくなる……
北見さんの近さに……)
指先の小さな動きが、
胸の揺れをさらに深くする。
✦ ④ 視線を合わせられない──でも見たい
近すぎて、
すぐには視線を合わせられない。
秋川は少し俯く。
胸が揺れすぎて、
顔を上げる勇気が出ない。
秋川(心の声)
(……見たい……
でも……見たら……
もっと揺れる……)
“見られない”が逆に甘い。
✦ ⑤ それでも、ふと横を見る──胸が決定的に揺れる
ほんの一瞬だけ、
秋川は横を見る。
北見も気づいて、
少し照れながら笑う。
その笑顔を見た瞬間──
胸が一気に熱くなる。
秋川(心の声)
(……だめ……
こんなの……
好きになっちゃう……)
距離ゼロ直前の揺れは、
もう“恋”の揺れ。
✦ ⑥ 秋川は気づく
距離ゼロ直前、
胸の奥でそっと気づく。
(……北見さんと……
もっと近づきたい……)
その気づきはまだ言葉にならない。
でも、
確かに生まれた気持ち。
✦ 第365話
「二人、距離ゼロになる瞬間」
✦ ① 触れないのに触れている距離が、ついに限界を迎える
指は絡んだまま。
息は近いまま。
視線は重なったまま。
秋川(心の声)
(……もう……
この距離……
保てない……)
北見(心の声)
(……もう……
離れられない……)
“触れない距離”が、
ついに限界まで満ちる。
✦ ② 秋川が小さく息を吸う──その音が決定的
秋川はそっと息を吸う。
その音だけで、
北見の胸がふっと揺れる。
北見(心の声)
(……来る……
たぶん……来る……)
距離ゼロの直前、
息の音が合図になる。
✦ ③ 北見がほんの少しだけ前へ
北見はゆっくり、
本当にゆっくり前へ。
半歩じゃない。
一歩でもない。
ほんの数センチ。
でもその数センチが、
二人の世界を決定的に変える。
秋川(心の声)
(……近い……
もう……触れる……)
✦ ④ 秋川も同じタイミングで前へ
秋川も自然と前へ。
自分でも驚くほど自然に。
指先が少し絡み直る。
胸の奥が静かに跳ねる。
秋川(心の声)
(……北見さん……
こんな距離まで……)
北見(心の声)
(……秋川さん……
受け止めてくれてる……)
二人は同時に前へ。
✦ ⑤ 距離ゼロ──触れたも同じ距離
そして──
二人の距離は、
ゼロになる。
触れたか触れていないか、
もう区別できない距離。
息が重なる。
視線が重なる。
指先が確かに絡む。
秋川(心の声)
(……こんな距離……
初めて……)
北見(心の声)
(……離れたくない……)
距離ゼロの瞬間、
二人の世界は静かに重なる。
✦ ⑥ 名前を呼ぶ声が、距離ゼロでいちばん近い
秋川
「……北見さん……」
北見
「……秋川さん……」
名前を呼ぶ声は、
さっきより柔らかく、
さっきより近い。
距離ゼロの声は、
胸の奥に直接届く。
✦ ⑦ 二人は距離ゼロのまま、動けなくなる
触れたも同じ距離。
恋人の距離。
もう戻れない距離。
二人は距離ゼロのまま、
しばらく動けない。
秋川(心の声)
(……この距離……
壊したくない……)
北見(心の声)
(……この距離……
ずっと続けばいい……)
✦ 第366話
「二人、距離ゼロのまま──初めて言葉」
✦ ① 距離ゼロのまま、二人は動けない
触れたも同じ距離。
恋人の距離。
もう戻れない距離。
秋川(心の声)
(……近い……
こんな距離……初めて……)
北見(心の声)
(……離れたくない……)
距離ゼロのまま、
二人はしばらく動けない。
✦ ② 息が重なる──その静かな音が言葉より強い
秋川が小さく息を吸う。
北見も同じタイミングで息を吸う。
その音だけで、
胸の奥がふっと揺れる。
秋川(心の声)
(……息の音……
聞こえる……)
北見(心の声)
(……秋川さんの息……
こんな近くで……)
距離ゼロでは、
息の音が言葉より強い。
✦ ③ 秋川が最初の一言を落とす
秋川はそっと口を開く。
声は小さく、
でも震えている。
秋川
「……北見さん……」
名前を呼ぶだけ。
それだけなのに、
距離ゼロでは胸の奥に直接届く。
北見は息を飲む。
北見(心の声)
(……こんな距離で……
名前呼ばれたら……)
✦ ④ 北見も返す──距離ゼロの声は深い
北見もゆっくり口を開く。
声は小さいのに、
距離ゼロでは深い。
北見
「……秋川さん……」
名前を呼ぶ声が、
秋川の胸の奥に静かに落ちる。
秋川(心の声)
(……だめ……
こんなの……
胸が……)
✦ ⑤ 二人は距離ゼロのまま、もう一言だけ重ねる
秋川
「……近いね……」
北見
「……うん……
でも……嫌じゃない……」
秋川は指を少し絡め直す。
北見もそっと握り返す。
距離ゼロのまま交わした言葉は、
どんな告白よりも近い。
✦ ⑥ 距離ゼロの言葉が、二人の距離を決定的に変える
名前を呼び合って、
一言重ねて、
指を絡め直して──
その全部が、
二人の距離を決定的に変える。
秋川(心の声)
(……この距離……
好き……)
北見(心の声)
(……この人と……
もっと近づきたい……)
距離ゼロのまま交わした言葉は、
二人を静かに恋人へ導く。
✦ 第367話
「北見、思い出の丘へ──秋川を誘う」
✦ ① 距離ゼロのまま、北見の胸にひとつの場所が浮かぶ
秋川の息が近い。
指が絡んでいる。
視線が重なっている。
その距離ゼロの中で──
北見の胸に、
ひとつの場所がふっと浮かぶ。
北見(心の声)
(……あの丘……
誰にも話したことない……
でも……秋川さんとなら……)
“思い出の丘”。
北見が子どもの頃から大事にしてきた、
静かで、優しくて、
誰にも見せたことのない場所。
✦ ② 北見は少しだけ指を強く握る
距離ゼロのまま、
北見はそっと指を強く握る。
秋川は驚かない。
むしろ、
その強さを受け止めるように握り返す。
秋川(心の声)
(……北見さん……
何か言いたい……)
その“握り返し”が、
北見の背中を押す。
✦ ③ 北見、ゆっくり口を開く
距離ゼロのまま、
北見はゆっくり口を開く。
声は小さい。
でも、
決意がある。
北見
「……秋川さん……」
秋川
「……うん……」
名前を呼ぶ声が、
距離ゼロでは胸の奥に直接届く。
✦ ④ 北見の“誘い”は、ためらいと願いが混じった声
北見は少し息を吸う。
その音が、
誘いの前の合図になる。
北見
「……あの……」
秋川は静かに待つ。
距離ゼロのまま、
北見の言葉を受け止める姿勢で。
そして──
北見は言う。
北見
「……一緒に……
“思い出の丘”に行かない……?」
声は震えている。
でも、
願いがある。
✦ ⑤ 秋川の胸がふっと揺れる
誘われた瞬間、
秋川の胸がふっと揺れる。
秋川(心の声)
(……思い出の丘……
北見さんの……大事な場所……)
距離ゼロのまま誘われるということは──
心の奥を見せたいということ。
秋川はゆっくり、
指を絡め直す。
秋川
「……行きたい……」
声は小さい。
でも、
確かに届く。
✦ ⑥ 距離ゼロのまま、二人は次の一歩を決める
北見は胸の奥がふっと熱くなる。
北見(心の声)
(……よかった……
秋川さんと……行ける……)
距離ゼロのまま、
二人は次の一歩を決める。
“思い出の丘”。
北見の過去と、
秋川の未来が重なる場所。
✦ 第368話
「二人、思い出の丘へ向かう道」
✦ ① 距離ゼロの余韻を少しだけ残したまま歩き出す
指は絡んだまま。
距離は恋人の距離。
胸の奥はまだ揺れている。
北見
「……行こっか」
秋川
「……うん……」
その“うん”が、
距離ゼロの余韻をそっと引きずっている。
二人はゆっくり歩き出す。
✦ ② 歩幅が自然に揃う──まるで昔からそうだったみたいに
歩き始めてすぐ、
二人の歩幅は自然に揃う。
秋川(心の声)
(……歩きやすい……
北見さんと歩くの……)
北見(心の声)
(……秋川さん……
歩幅合わせてくれてる……)
合わせようとしていないのに、
勝手に揃う歩幅。
それがもう“二人の距離”。
✦ ③ 道は少しだけ上り坂──その静けさが二人を包む
思い出の丘へ続く道は、
少しだけ上り坂。
人が少なくて、
夕方の光が長く伸びて、
風がゆっくり通る。
秋川(心の声)
(……静か……
でも……北見さんがいるから……
怖くない……)
北見(心の声)
(……この道……
秋川さんと歩くの……
不思議なくらい嬉しい……)
静けさが二人を包む。
✦ ④ 指先が歩くたびに少し揺れる──その揺れが胸へ届く
歩くたびに、
指先が少し揺れる。
その揺れが、
胸の奥まで届く。
秋川(心の声)
(……触れてる……
ちゃんと……触れてる……)
北見(心の声)
(……離したくない……)
指先の揺れが、
二人の気持ちをそっと揺らす。
✦ ⑤ ふと、秋川が横を見る──北見も気づく
上り坂の途中で、
秋川はふと横を見る。
北見も気づいて、
少し照れながら笑う。
秋川(心の声)
(……だめ……
こんなの……
胸が……)
北見(心の声)
(……秋川さん……
こんな表情で……)
視線が重なるたびに、
距離がまた少し近づく。
✦ ⑥ 北見が小さく話す──“丘のこと”を初めて言葉にする
丘が近づいてきた頃、
北見はそっと口を開く。
北見
「……あの丘ね……
昔から……よく行ってた場所なんだ」
秋川は静かに聞く。
歩く速度を少し落として。
秋川
「……うん……」
北見
「……誰かと行くの……
初めてなんだ……」
その言葉が、
秋川の胸をふっと揺らす。
✦ ⑦ 秋川は指をそっと絡め直す──答えの代わりに
秋川は言葉を返さない。
返せない。
胸が揺れすぎて。
代わりに──
指をそっと絡め直す。
秋川(心の声)
(……嬉しい……
北見さんの大事な場所……
私と……)
北見(心の声)
(……秋川さん……
ありがとう……)
言葉よりも、
指先の温度が強い。
✦ ⑧ 丘の入口が見える──二人の影が重なる
夕方の光の中で、
丘の入口が見えてくる。
二人の影は、
歩くたびに重なったり離れたりして、
最後にはひとつに重なる。
秋川(心の声)
(……もうすぐ……)
北見(心の声)
(……一緒に見たい……)
二人は、
思い出の丘へ向かう道を、
静かに、ゆっくり、
恋人になる前の速度で歩いていく。
✦ 第369話
「二人、思い出の丘──到着」
✦ ① 丘の入口に立った瞬間、空気がふっと変わる
夕方の光が長く伸びて、
丘の入口は静かで、
風がゆっくり通る。
二人は立ち止まる。
指はまだ絡んだまま。
秋川(心の声)
(……ここ……
北見さんの……大事な場所……)
北見(心の声)
(……秋川さんと……来たんだ……)
空気がふっと変わる。
✦ ② 北見が少しだけ息を吸う──その音が合図になる
丘を前にして、
北見はそっと息を吸う。
その音だけで、
秋川の胸がふっと揺れる。
北見(心の声)
(……緊張してる……
でも……嬉しい……)
秋川(心の声)
(……北見さん……
何か言いたい……)
到着の合図は、
言葉じゃなくて息の音。
✦ ③ 二人はゆっくり丘へ一歩踏み入れる
北見
「……行こっか……」
秋川
「……うん……」
その“うん”は、
距離ゼロの余韻をそっと引きずっている。
二人はゆっくり、
丘へ一歩踏み入れる。
✦ ④ 丘の静けさが、二人の距離をさらに近づける
丘は静か。
人がいない。
風だけが通る。
秋川(心の声)
(……静か……
でも……北見さんがいるから……
怖くない……)
北見(心の声)
(……この場所……
秋川さんと歩くの……
不思議なくらい嬉しい……)
静けさが二人を包む。
✦ ⑤ 丘の上に広がる景色──二人の影が重なる
丘の上に出た瞬間、
景色がふっと開ける。
街が遠くに見えて、
夕方の光が二人の影を長く伸ばす。
歩くたびに影が重なり、
最後にはひとつになる。
秋川(心の声)
(……きれい……
北見さんと見る景色……)
北見(心の声)
(……秋川さんと見ると……
こんなに違うんだ……)
景色が二人の距離をそっと近づける。
✦ ⑥ 北見が“思い出”を初めて言葉にする
丘の上で立ち止まったまま、
北見はゆっくり口を開く。
北見
「……ここね……
昔……よく来てたんだ……」
秋川は静かに聞く。
指を少し絡め直しながら。
秋川
「……うん……」
北見
「……誰かと来るの……
ほんとに……初めてなんだ……」
その言葉が、
秋川の胸をふっと揺らす。
✦ ⑦ 秋川は言葉じゃなく、指で答える
秋川は返事をしない。
返せない。
胸が揺れすぎて。
代わりに──
指をそっと強く絡め直す。
秋川(心の声)
(……嬉しい……
北見さんの大事な場所……
私と……)
北見(心の声)
(……秋川さん……
ありがとう……)
言葉よりも、
指先の温度が強い。
✦ ⑧ 丘の上で、二人は静かに並んで立つ
夕方の光。
静かな風。
重なる影。
二人は並んで立つ。
指は絡んだまま。
距離は恋人の距離。
秋川(心の声)
(……この場所……
好きになりそう……)
北見(心の声)
(……秋川さんとなら……
どんな思い出も……
新しくなる……)
思い出の丘で、
二人は静かに恋人へ近づく。
✦ 第370話
「二人、丘の上──初めて座る瞬間」
✦ ① 丘の上の風が、二人の距離をそっと押す
夕方の光が柔らかくて、
風がゆっくり通って、
街が遠くに見える。
北見と秋川は並んで立ったまま、
しばらく動けない。
秋川(心の声)
(……ここ……
北見さんの大事な場所……)
北見(心の声)
(……秋川さんと……
この景色を見てる……)
風がそっと背中を押す。
✦ ② 北見が少しだけ指を強く握る──座る前の合図
距離ゼロの余韻が残る指先。
北見はそっと、
ほんの少しだけ強く握る。
秋川は驚かない。
むしろ、
その強さを受け止めるように握り返す。
秋川(心の声)
(……北見さん……
何か言いたい……)
その“握り返し”が、
座る前の合図になる。
✦ ③ 北見がゆっくり口を開く
北見
「……ここ……
座ると……景色がもっときれいなんだ……」
秋川は静かに聞く。
胸の奥がふっと揺れる。
秋川
「……座りたい……」
その声は、
距離ゼロのまま届く。
✦ ④ 二人は同時に、ゆっくり腰を下ろす
北見が少し前に出る。
秋川も同じタイミングで前に出る。
そして──
二人は並んで、
ゆっくり腰を下ろす。
触れていないのに、
触れたも同じ距離。
秋川(心の声)
(……近い……
こんな距離で座るの……初めて……)
北見(心の声)
(……秋川さん……
隣にいる……)
座った瞬間、
空気がふっと変わる。
✦ ⑤ 座った距離は、立っていたときより近い
座ると、
自然と肩の高さが揃う。
自然と横顔が近くなる。
自然と指先の温度が強くなる。
秋川(心の声)
(……横顔……
こんな近くで……)
北見(心の声)
(……秋川さん……
隣にいるだけで……)
座った距離は、
立っていたときより近い。
✦ ⑥ 二人はしばらく言葉を失う
座った瞬間、
二人はしばらく言葉を失う。
話したいのに話せない。
見たいのに見られない。
触れたいのに触れられない。
でも──
その“ためらい”が甘い。
秋川(心の声)
(……この距離……
壊したくない……)
北見(心の声)
(……このままで……
もう少し……)
座ったまま、
二人の世界が静かに重なる。
✦ ⑦ 北見が小さく息を吸う──座った距離で初めての言葉
北見はそっと息を吸う。
その音が、
座った距離での“初めての言葉”の合図になる。
北見
「……秋川さん……」
秋川
「……うん……」
名前を呼ぶ声は、
座った距離では胸の奥に直接届く。
✦ ⑧ 丘の上で並んで座った瞬間──二人は静かに恋人へ近づく
夕方の光。
静かな風。
重なる影。
二人は並んで座る。
指は絡んだまま。
距離は恋人の距離。
秋川(心の声)
(……この場所……
好きになりそう……)
北見(心の声)
(……秋川さんとなら……
どんな景色も……
特別になる……)
丘の上で初めて座った瞬間──
二人は静かに恋人へ近づく。
2026/07/19 18:35
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投稿を表示お気に入りの丘で2人きり⋯
秒速5センチメートルのコスモナウトが蘇る👍️
ワイ⋯その昔、同じようなシチュエーションで、いよいよ初めてのチュウかぁ〜‼️とドキドキしてたら⋯
相手から「お腹減った💖」の一言が💦
金が無い学生時代だったのでラーメンショップで、一緒に大盛り食べて、ワイだけおろしニンニクをタップリ入れてしまい⋯
次回まで、おあずけになりましたとさ💥😭💦